『MyAge 2015 Spring号』に、「S-Joy~素敵女医~」シリーズ『健康で太らない体をつくる素敵女医的「食の秘策」』が掲載されています。
その中の「糖質制限の 真実」という鼎談に参加されている「青山エルクリニック」院長の杉野宏子先生にご登場いただき、お話をうかがうこの連載。
前回と今回の2回に分けて、「食物繊維」について解説していただいています。
こんにちは、杉野宏子です。
今回も食物繊維についてお話ししたいと思います。
食物繊維は、穀類、いも類、海藻類、豆、野菜、果物、きのこ類などに多く含まれています。
水溶性か不溶性かによって働きが異なるので、どちらか一方に偏らず、さまざまな食べ物から両方を摂取することが大切です。
バランスとしては、水溶性1:不溶性2が理想的だと言われています。
たとえば水溶性ばかりをとると下痢をしますし、不溶性ばかりをとると便秘しやすくなります。
なお不溶性食物繊維は、たっぷりの水分とともに摂取しましょう。
ある日の私の学食ランチです。糖質制限をしているので、ご飯は食べません。
食物繊維をたっぷり含んだ野菜を大量にとっています。
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では、成人の食物繊維摂取の目標量は、男性で19g以上、女性では17g以上とされています。
野菜や豆などの食物からとることが一番ですが、食事のみでバランス良く摂取するのが難しい場合は、食物繊維のサプリメントやドリンク剤などを利用するのもいいでしょう。
が、くれぐれもとりすぎには気をつけて。食物繊維のみをとりすぎると、ビタミンなど栄養素の吸収が阻害される場合があります。
またドリンク剤には糖質が多く含まれているものがあるので、そちらにも注意してください。
食事だけで十分な量がとれない場合は、間食の際にアーモンドやくるみ、ピーナッツ、栗、ピスタチオなどのナッツ類を食べると、食物繊維が摂取できるだけでなく、お菓子などに比べて糖質も抑えられるのでおすすめです。
おすすめの食物繊維のとり方は次の通りです。。
<穀類>
白米に麦や雑穀を混ぜて炊く、
胚芽米などを食べる、
ふすまや全粒粉、ライ麦などが入ったパンを選ぶ。
これらの工夫をするだけでも、食物繊維の摂取量は増えます。
<いも類>
食物繊維が豊富ですが、糖質が高いので、
じゃがいもやさつまいもなどを食べるときは、ご飯を控えめにするのがベターです。
特に糖質制限をしている人は、葉物野菜からとることをおすすめします。
<豆>
常備菜として、ひじきと一緒に煮豆などにしておくほか、
缶詰のひよこ豆などをサラダに入れたりしてもいいですね。
また、カカオ豆から作られるココアも食物繊維が豊富です。
ココアには、前回ご紹介したファイトケミカルのポリフェノールもたっぷり含まれています。
<野菜>
加熱するとカサが減ってたくさん食べられます。
サッと蒸したりゆでたりして温野菜にするほか、お漬物やおひたし、
お味噌汁やスープ、ポトフなど、汁物に入れるのもおすすめです。
<果物>
おやつには、お菓子やジュースの代わりに果物を食べましょう。
ただし最近の果物は甘味が強く糖分が多いので、食べ過ぎにはご注意を。
杉野先生のアンチエイジングジュースのレシピは、次ページに!
◆杉野先生おすすめのアンチエイジングジュース
メロンとほうれんそうのジュース
材料2人前:
メロン 1/8個
ホウレンソウ(サラダ用) 1/2輪
パセリ 2.3本
クレソン 1/2輪
いりごま 大さじ1
エゴマ油 大さじ1
水 150ml
栄養ポイント:
栄養ポイント:メロンの香りがさわやかなジュースです。
ホウレンソウがβカロチンとルテインが豊富。
さらにパセリとクレソンでビタミンCも加えて、身体の調子を整えましょう。
プラムとトマトのジュース
材料2人前:
スモモ 3.4個
ミニトマト 10個
エゴマ油 大さじ1
水 150ml
栄養ポイント:
スモモはペクチン、ビタミンAや鉄分が多いので、
便秘がち、貧血気味女子の強い味方です。
酸味も強いので疲労回復に役立ちます。
体力が落ちる夏から秋口は旬の果物を食べましょう。
プチトマトは、リコピンが多く抗酸化作用もバッチリ!
取材・文/上田恵子 写真/杉野宏子