MyAge 本誌にて好評連載中の「S-Joy~素敵女医~」シリーズ。
こちらに第一回からご登場いただいている、「青山エルクリニック」の杉野宏子院長にお話をうかがうこの連載。
前回に続き今回も、『MyAge 2016 春号』の「素敵女医的 「免疫力」を確実に上げる方法」でも紹介してくださっている、「ビタミンD」について詳しく解説していただきました。
こんにちは、杉野宏子です。
前回はビタミンDの働きについて説明しました。今回は、ビタミンDの摂り方についてお話したいと思います。
ビタミンDを補充するには2つの方法があります。
(1) 食物からの摂取(植物由来のビタミンD2と動物由来のビタミンD3)
(2) 紫外線(UVB)を浴びて皮膚でビタミンDを作る
ビタミンD2を多く含む食品はキクラゲや干しシイタケが有名ですが、一度に大量に摂取することは難しい食品です。
ビタミンD3を多く含む食品はアンコウの肝、魚卵、サケ、サバ、さんまなどの魚や卵黄です。これらからは効率よくビタミンDを摂取できます。
もう一つの重要な供給源は自分自身の皮膚での生成です。皮膚に含まれているプロビタミンD3に日光(紫外線)が当たることで、ビタミンD3ができます。
皮膚に紫外線が当たるとプロビタミンD3がプレビタミンD3になり、ビタミンD3に変化し、肝臓に蓄えられます。
必要に応じて肝臓から放出されたビタミンD3は腎臓で活性型ビタミンD3となり、全身の臓器に運ばれ作用を現します。
ビタミンD3を作る紫外線は「UV-B」というシミの原因になる種類のもので、これは服やガラスは通過しません。たまに「日焼けをしたくないからカーテンは開けない、洗濯物も外に干さない」という人がいますが、そういう人は慢性的なビタミンD不足になっている可能性があります。
過剰に日焼け止めを塗っている人も同様です。
このことからも、紫外線は徹底的に排除するのではなく、顔などシミを作りたくない場所はガードして、逆にある程度焼いてもいいところは日光にあてる努力はしたほうがいいと言えるでしょう。
もちろん日焼けするほどジリジリ焼く必要はありません。1日10~15分くらい、陽に当たるだけで十分です。脚だけや、手のひらだけでもいいですよ。
また、夏の間に日光をしっかり浴びてビタミンDをたくさん作っておくのは、冬を乗り切るためにも有効。風邪やインフルエンザ対策にもなります。
よく「サーファーに花粉症はいない」などといわれますが、1年をとおして日光を浴びるのはアレルギー予防にも効果があるのです。
特に冬場は地上まで届く紫外線の量が少なくなるため、よりビタミンDが不足しがちになります。天気のいい日は外へ出て、日光浴をしがてらのんびりお散歩などしてみてはいかがでしょうか。
自分にビタミンDが足りているか不足しているかについては、血液検査で測ることができます。低い場合はサプリメントで補うなど、何らかの対策が必要です。特におすすめなのはビタミンD3です。
またビタミンDは、大腸がん、乳がん、卵巣がんといった女性に多いがんにも関連があるほか、PMS(月経前症候群)に悩んでいる人も有効だと言われています。
これまであまり注目されてこなかったものの、さまざまな意味でMy Age世代には欠かせない栄養素であるビタミンD。
これからは紫外線をカットしすぎず、適度に浴びる時間も作ってほしいと思います。
杉野先生のアンチエイジングスープやジュースのレシピは、次ページに!
◆杉野先生おすすめのアンチエイジングレシピ
<ホットスムージー>
(材料2人分)
キャベツ 2,3枚
パセリ 半束
ニンニク 1片
ショウガ 1個
昆布 1枚を細切りに
麹味噌 大さじ2
炒りゴマ 大さじ1
エゴマ油 大さじ1
水 200ml
昆布を水にしばらく浸けてから煮立てて出汁を取り、ニンニク、生姜を加えて少し煮ます。
ミキサーに残りの材料を入れておき、出汁を入れてからミックスしてください。
ニンニクとショウガには、血行を促進する効果があります。
温かいスープで朝の体温を上げましょう。
<赤いジュース>
(材料2人分)
リンゴ 半個
大根 100g
赤パプリカ 1個
ラズベリー 10粒
チアシード 大さじ1
エゴマ油 大さじ1
ターメリック、シナモン、クローブ 各少々
水 150ml
エラグ酸が含まれているラズベリー。
アンチエイジング効果や、美白効果があることで知られています。
赤いジュースで気分をアップして、爽やかに一日を始めましょう。
写真/杉野宏子 取材・文/上田恵子