いし こんにちは。春の陽気に誘われて、日だまりで眠りたくなるぐうたらライターのいしまるこです。
というわけで、今回は日中の眠気を上手にコントロールする裏技を根来先生に伝授していただきますよ。
根来 こんにちは、いしまるこさん。確かに春の日射しは心地よくて、眠気を誘いますよね。
いし そーなんですよ! 昼食を食べ終わって、“午後から、もうひとがんばりするぞ!” と思っても、午後2時頃になると決まって睡魔に襲われるんです。
根来 個人差もありますが、朝7時に起きた場合、午後2時に眠くなるのは時計遺伝子的にプログラミングされたものなんです。
1日のうち、深夜2時は最も眠りが深くなるようにプログラムされていますが、午後2時も休息の時間としてセットされているのです。
いし じゃあ、私の昼の睡魔は、ぐうたらのせいじゃないんですね!
根来 はい、そうですね、ぐうたらのせいじゃありませんよ。午後2時の睡魔は、来るべくしてやってくるのです。
ただ、午後2時は、深夜2時のようにレム睡眠を引き起こすような睡眠物質が出るわけではなく、メラトニンが増える時間でもないので、居眠り程度の眠気ですが。
いし とはいえ、眠気をがまんしながら仕事をしても、明らかに効率が落ちるんですよね。どうしたもんでしょう?
根来 日中、どうしても眠気が強くなってしまったら、いったん仕事の手を休めて、昼寝をしたらいいですよ。
いし お昼寝ですか? それなら得意です!
根来 ただし、15分以内ですよ。
いし げっ、平気で1〜2時間寝ていましたっ。
根来 それは逆効果ですね。30分以上眠ってしまうと、脳も体も睡眠モードに入ってしまうので起きるのがつらくなるし、午後に長時間の昼寝をすると、確実に体内時計を狂わせ、夜に眠れなくなってしまいます。
いし ひゃあ、思い当たりますー。
根来 昼寝をするなら、昼食後から午後3時までの間に、15分以内を目安にするといいでしょう。
心身がリラックスして疲れがとれるし、脳も活性化するので午後からの仕事がはかどりますよ。
いし “寝だめ”ってできないんですか?
根来 残念ながら睡眠の貯金はできないんです。休日は1日寝て過ごす人も多いようですが、10時間以上の“寝だめ”は体内時計のリズムを乱し、かえって不調を招きます。
いし 週末の寝だめはムダだったんですね。とほほ。
根来 週末も朝起きる時間を一定にして、体内時計のリズムを崩さないことが大切です。
寝不足のときは、普段より3時間くらい早く寝てしまってください。夜早めに寝ることで、体内時計をずらすことなく、睡眠の負債を返せます。
いし なるほど!
根来 平日朝型生活をしていても、週末寝坊したのでは台無しです。体内時計のリズムが一度乱れると、ゼロからではなく、マイナスからのスタートになるんですよ。
朝型生活を続けるためにも、昼食後から午後3時までの間に、15分以内の昼寝をするのはおすすめです。
いし 「15分シエスタを15時までに」ですね。週末のだら寝もやめます!
根来 それでは皆さん、今日も素敵な1日を!
〈根来教授の睡眠講座・裏技編は次週も続きます。お楽しみに! 〉
取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン