美腸ケア10
おなら×更年期
人にいえない「おならの悩み」
あまりおならが出ないという人もいますが、更年期になっておならが出やすくなったり臭くなったという人も。
ここでは、なかなか人にいえない、どこに相談したらいいかわからない「おなら」の悩みについて、美腸ケアに定評がある小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生にQ&A方式で教えていただきます。
今回は、おならの回数について、更年期とおならの関係などの3つのQ&Aです。
Q:そもそもおならって、1日何回くらい出るもの?
A:
おならネタは、口に出して話題にしにくいため、他の人となかなか比較できません。明確なデータはありませんが、平均で1日10回前後はおならをしていると言われています。
おならは、消化吸収の過程で、食物が腸に入ってきて便に変わる際に発生。食物から発生するメタンガスや二酸化炭素、水素に、食物を飲み込む際に一緒に飲み込んだ空気などが混ざり合ってできたものです。消化の過程で出てくるものなので、食べたものによって、においが変化します。肉類や油ものなどはにおいが強く、よく"臭いおなら"と呼ばれるのはこういったものを食べたときに発生します。
Q:おならが出やすい人、逆に出にくい人ってありますか?
A:
おならは便を作る過程で発生するので、腸内環境や便の状態が影響します。
おならがよく出るという人は、腸内環境が悪化している可能性が高いのです。便秘がちな人も便が停滞するので、ガスを発生しやすくなります。過敏性腸症候群の人も腸内環境が安定しないため、ガスに悩んでいる人が多いです。
さらに、消化に関与する胆嚢や膵臓の状態が悪いと消化がスムーズに行えず、ガスが発生しやすいことも。また、運動不足の人も腸のぜん動運動が低下するので、ガスが腸内に停滞しやすく、おならが多発します。逆に、腸内環境がいい人は過剰なおならは出にくいようです。
Q:50歳前後から、「やたらおならが出る」人が。
更年期とおならって関係あるの?
A:
「以前よりもおならがやたら出る」「更年期になってから、急におならが臭くなった」…。こんな声をよく耳にします。
腸内環境は年齢とともに機能が衰えはじめます。特に、更年期は女性ホルモン低下から"自律神経"が大きく乱れます。自律神経は腸内環境には重要なキーワードです。腸のぜん動運動などを支配するのが自律神経なので、自律神経が乱れる更年期は、腸の動きが低下し、それに伴い腸内環境もアンバランスになりやすいと言われています。
今までは快調な便だったのに、更年期に突入したとともに便秘になったり、逆に過敏性腸症候群のように下痢が続く、という人も少なくありません。そういった腸内環境と便の乱れに伴い、以前よりもガスがたまってお腹が張る、おならがたくさん出る、おならが臭い、といった悩みを持つ人も増えてしまうようです。
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イラスト/内藤しなこ 取材・原文/伊藤まなび