美腸ケア10
おなら×更年期
人にいえない
おならの悩み
あまりおならが出ないという人もいますが、更年期になっておならが出やすくなったり臭くなったという人も。
ここでは、なかなか人にいえない、どこに相談したらいいかわからない「おなら」の悩みについて、美腸ケアに定評がある小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生にQ&A方式で教えていただきます。
今回は、おならは我慢してもいいの? おならを減らすには? などの4つのQ&Aです。
Q
腸内環境改善の努力はしているのに、
おならが減らないのはなぜ?
A
実は、おならの発生原因は腸内環境の悪化だけではありません。食べるときに空気の飲み込みが多い人がいるのです。多少の空気の飲み込みは誰しもあるのですが、あまりに多いと"空気嚥下症"という症状名がつくことも。
通常、口から入った空気は、肺へ向かいますが、この空気の飲み込みは、肺ではなく、食道から胃、腸へと向かいゲップやおならになります。炭酸飲料を飲んでもなりますが、ほかには、食べるのが早い人、しゃべりながら食べる人、唾を飲み込む癖がある人なども空気を飲み込み、ガスでお腹が張ったり、おならが多発する原因になったりします。
また、ストレスが多いと唾を飲み込む量が増えるため、空気の飲み込みが多くなると言われています。
Q
おならを減らす方法ってありますか?
A
大きく4つのポイントがあります。
①食物繊維、乳酸菌、発酵食品などで、腸内環境を整える。炭水化物や脂肪分が過多な食事や肉食中心の食事はおならの量を増やしたり、においを強くします。ほかにも、大根、ブロッコリー、アスパラなども独特のにおいを出す場合があります。
②食べ方を見直してみましょう。早食い、おしゃべり食いの人は、無意識に空気を飲み込んでいることも。よく嚙んで食べることで、食べるときの空気の飲み込みは少なくできます。
③運動不足も腸内環境を悪化させます。ウォーキング程度で腸のぜん動運動にはプラスに働きます。
④自律神経のバランスを保つために、十分な睡眠を心がけ、深呼吸などを取り入れるといいでしょう。
おならを我慢すべきかどうか?この悩ましい疑問の答えは次ページに!
Q
おならって我慢してもいいの?
A
周囲が気になっておならを我慢している人、少なくないようです。誰もがするものなので、本来は我慢せずに自由に出すべきです。
我慢するとガスでお腹が張って痛みが出たり、腸だけでなく、胆嚢や膵臓などを圧迫することも。また、ガスをためたままにすると、腸内環境が悪化。悪化すればよりおならが発生しやすくなるという負のスパイラルに陥ります。
さらに、我慢すると口臭や体臭までおなら臭くなることもあります。我慢せずに、トイレなどで適度に出すことが大事です。
Q
おならの悩みはどこに相談したらいいですか?
A
誰しもおならは出るので、あまり気にする必要はありません。以前よりも量が増えた、においが明らかに臭くなったという場合は、まずはおならを減らす生活改善をしましょう。
それでも改善できないとか、おならの回数が多くて外出するのが怖いなどの生活に支障が出る場合は、内科や胃腸科、便秘外来などに相談するといいでしょう。腸内環境のトラブルだけでなく、膵臓や胆嚢などにトラブルを抱えている場合もあるので、「たかがおなら」と甘く考えるのは危険です。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/伊藤まなび