まだ間に合う! 腸が整えば体の内も外も美しくなる
「腸内環境」を本気で見直す
今、にわかに注目を集めている腸の世界。研究が進むにつれ、実はほとんどの病気は腸内環境の悪さが根源であることがわかってきました。
いつまでも元気に健康でいたいなら、Our Age世代からの腸活が必須です。
美腸ケア1
腸に関する最新Topics
研究が急ピッチで進むなか、現在、解明されたこと、されつつあること、そして現代人が抱える問題まで、腸に関する8つのTopicsに注目!
ここでは、その8つのTopicsを3回に分けてご紹介します。
今回は、⑥リーキーガット症候群の恐怖、⑦注目の便移植、⑧細菌解析による健康管理について、の3つのTopicsをご紹介します。
Topic6
リーキーガット症候群の恐怖
Leaky Gut Syndrome(LGS)=腸管壁浸漏症候群。まだ聞きなれない言葉ですが、小腸(ガット)の粘膜に穴があき、異物が漏れる(リークする)という、今、着実に増えている腸の症状。腸内環境の悪化で、本来なら通過できない細菌、毒素、食物アレルゲン、未分解の栄養素が通過してしまいます。
例えば、卵や小麦粉に含まれるタンパク質が消化されず、高分子のまま吸収されると、粘膜組織がアレルギー反応を起こします。ほかに、腸内ガスや膨満感、腹痛、便秘や下痢なども、"腸の穴"の仕業かも。
その原因はさまざま考えられますが、そのひとつが最近の極度な清潔志向。赤ちゃんの頃に多くの細菌に接することで、丈夫な腸粘膜の基礎が作られます。神経質すぎる除菌生活が腸を弱くしていることも一因です。
Topic7
最新治療法の便移植に注目!
腸内には約1000兆個もの多種多様な菌があり、この腸内細菌のバランスがくずれると、さまざまな病気を誘発します。
なかでも、薬物治療が難しい重篤な潰瘍性大腸炎の治療として、最近注目されているのが大便移植です。健康な人の便に生理食塩水を加えて、ろ過した液を内視鏡で腸に注入します。つまり健康な腸内細菌をそのまま移植するわけです。
すでに日本でも臨床がスタートしており、70~80%の患者に効果が認められているそう。現在日本ではドナーは20歳以上で、患者の2親等以内の親族や配偶者と決められています。
Topic8
細菌解析による未来型健康管理
細菌研究は日進月歩です。例えば、サイキンソーというベンチャー企業では、2015年秋から腸内細菌叢(腸内フローラ)検査サービスを開始。専用キットで大便を送ると、有益菌の保持率、腸内細菌のタイプがわかります。
さらに研究が進めば、検査結果からその人におすすめの食事や生活スタイルをアドバイスしたり、安全に培養した何種類もの細菌を保管し、その人に必要な細菌カクテルを腸に注入するという、新しい治療法が実現するかも。
腸内細菌による健康管理や病気治療への実用化が確実に進んでいます。
撮影/小山志麻 イラスト/D[diː]〈花〉 内藤しなこ 取材・原文/山村浩子 監修/藤田紘一郎