いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
前回より始まった根来教授の自律神経講座ですが、今回は、自律神経と老化の関係について、教えていただきますよ。
根来 みなさん、ご機嫌いかがですか。根来秀行です。
復習になりますが、自律神経はホルモンと並ぶ心身の二大制御機構のひとつ。
鼓動や血圧、体温など、生きていくうえで必要な機能のすべてのコントロールを司っています。
いし 自律神経さまさまですね。
根来 そして、アンチエイジングホルモンも、自律神経の協力なくしては、思うように体内を巡ることができません。
いし 体を修復・再生する成長ホルモンやメラトニンなどですね!
根来 That’s right.
睡眠中に血管を弛緩させる副交感神経が優位になることで、血液がスムーズに流れ、アンチエイジングホルモンも全身に行き渡るのです。
いし ふんふん。
根来 残念ながら、自律神経もご多分に漏れず老化します。
いし またしても! 一体どんなふうに老化するんですか?
根来 まず、自律神経全体のパワーが落ち、交感神経と副交感神経のバランスが乱れます。
いし それはいつ頃から始まるんですか?
根来 40代以降は副交感神経が低下しやすく、交感神経が過度に優位な状態に陥りやすいです。20代を100とすると、30代で2割、40代で3〜4割、50〜60代では半分くらい働きが落ちます。
いし 半分も!!
根来 副交感神経は弱体化しやすいんですよ。一方、交感神経は年を重ねても割合パワーが保たれるのです。
いし へぇ〜。そもそもマイエイジ世代では、女性ホルモンの減少も相まって、自律神経が乱れやすいんですよね…?
根来 はい。自律神経をコントロールしている脳の視床下部は、ホルモン分泌の中枢でもあるため、エストロゲンが急減する更年期には自律神経のバランスが崩れやすくなります。
いし のぼせ、動悸、発汗、めまい、イライラ、落ち込みといった更年期症状は、自律神経失調症状といえるの?
根来 そうですね。交感神経が優位になりすぎて、眠れなくなり疲労感が募り、片頭痛や胃腸の不調などを招き、イライラしたりします。
いし 年をとると怒りっぽくなる人が増えますもんね。
根来 制御がききにくくなることはあるかもしれませんね。
逆に、だるくてだらだらしてしまう場合は、自律神経トータルのパワーが下がって副交感神経が優位になりすぎている可能性があります。
いし ドキッ!
根来 それが進むと、うつっぽくなることもあります。
いし 副交感神経が勝りすぎてもダメなんですね。
根来 副交感神経ばかりが優位だとやる気が起こらず、活動も低下、内臓も気持ちもだらけたまんま。
いし あいたたた。それにしても、自律神経が年をとるなんて、考えたこともなかったですぅ。
根来 自律神経が老けると、免疫にも影響があるんですよ。その話は、また次の機会に。
いし 次回は自律神経の老化と免疫のお話ですね。楽しみー。
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン