いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
今春から、自律神経年齢を若返らせるためのセルフケアを特集していますよ。
みなさまから寄せられた自律神経の不調によるさまざまな症状を解決すべく、根来教授に処方箋を出していただきます。
根来 ごきげんいかがですか? 根来秀行です。
さて、今回はどんなお悩みでしょうか?
いし 今回のお悩みは兵庫県芦屋市にお住まいのM代さん。
「ちょっとしたことでイライラして、つい過食に走ってしまいます…」というお悩みです。たしかにストレスがつのると、真っ先に乱れるのが食ですよね。
根来 そうですね。ただ、食べることでストレス発散しても、罪悪感がわいてきて、かえって不安定な気持ちになるばかりじゃないですか?
いし おっしゃるとおりで。
根来 ですからイライラするときこそ、丁寧に食事の準備をして、ゆっくりと食事を味わってほしいんです。
処方箋としては
「きちんと三食+カルシウム&ビタミンB12」
いし まずは大原則の規則正しい食事ですね。
根来 そうです。朝昼晩、規則正しく食事をすることで体内時計が整い、交感神経と副交感神経が働く時間割も整っていきます。
いし プラス「カルシウム」と「B12」というのは?
根来 ストレスがかかるとカルシウムやビタミンB群が消費されるので、それらの栄養素が豊富な食材を積極的にとるとよいですね。
カルシウムはイライラした気分を鎮め、ビタミンB群は神経の働きを正常に保つ働きがあります。とくに、B12は光感受性を高める作用があり、体内時計を合わせやすくしてくれます。不眠治療にも用いられます。
B群の合成に欠かせないビタミンCも併せてとることをおすすめします。
<カルシウムが豊富な食材>
乳製品、しらす、桜えび、ひじき、がんもどき、小松菜、切り干し大根など
<ビタミンB12が豊富な食材>
しじみ、あゆ、あさり、レバー、牛肉、いわし、マグロ、のり、いくら
次のページでは、このお悩みにおすすめのアロマオイルをご紹介します。
いし イライラで過食しそうなときに、おすすめのアロマは?
根来 ひとつはサイプレス。ヒノキ科の常緑樹でゴッホが晩年によくモチーフとして描きました。「糸杉と星の見える道」という有名な絵があります。
いし ああ、あの空に向かってもくもくと伸びている円錐形の大きな木ですね。
根来 そうそう。地中海沿岸地域でよく見られますよ。サイプレスのウッディな香りは、まるで森林浴をしているようなさわやかな気分になり、高ぶった神経を落ち着かせてくれます。デオドラント効果もあるので、ディナーの前にサイプレスの精油を1〜2滴垂らしたフットバスをするのもいいですね。
いし 足も心も清められて、ゆっくり楽しく食事ができそうです。
根来 ですね。リラックス効果が高いメリッサもいいですよ。
いし レモンバームのことですよね。ハーブティーでよく飲みます。レモンのような香りで味はミントに似ています。
根来 イライラするとチョコレートなど甘いものを過食する女性が多いのですが、メリッサティーを入れて、香りを楽しみながらのおやつタイムにすれば、ドカ食いは防げると思いますよ。
いし たしかにメリッサの香りって、心が落ち着くんですよね。
(注:持病のある人や妊娠中の人がアロマセラピーをおこなう場合は、かかりつけ医に相談してください)
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン