OurAge世代なら他人事じゃない!
目の病気「飛蚊症(ひぶんしょう)」
年齢とともに、今まで感じなかった体の不調が出てくるのがOurAge世代。
目の疾患も例外ではありません。
ここでは、特に気になる症状「飛蚊症」について徹底リサーチ!
今回は、「飛蚊症」の具体的な症状と、その予防と対策についてご紹介します。
浮遊物の正体は、
眼球の 中にある硝子体の濁り
婦人科系のトラブルをはじめ、体のあちこちに不調を感じがちなアワエイジ世代。目に関しても同様で、眼疾患の中には年齢を重ねることで発症するものも少なくありません。
「近くのものにピントを合わせづらくなる老眼(老視)、視神経に障害が起き視野が狭くなる緑内障、目の水晶体が白く濁る白内障などは、いずれも加齢の影響を受けやすい眼疾患です」
そう説明してくれるのは、眼科専門医であり「アイクリニック天神」院長の大倉萬佐子先生です。
「なかでもよくみられる症状のひとつに〝飛蚊症〞があります。これは明るいところや青空、白い壁などを見つめた際、目の前に糸くずや虫状の浮遊物が飛んでいるように見える状態です。視線を動かしても一緒に移動するように感じられ、まばたきをしたり目をこすったりしても消えません」
「飛蚊症」はこう見える!
黒い点や糸くず、ごま、虫、煙のようなものが視野の中で飛んで見える症状を「飛蚊症」といいます。普段は気にならなくても、明るい場所や白い壁、空を見上げたときなどにはっきり現れるといわれています。原因は、特に治療の必要がない生理的なものと、治療が必要な病的なものに分かれます。
●黒い点がつながって見えます
●蚊のような小さな虫に見えます
●ごまが散らばっているように見えます
●タバコの煙、または雲のように見えます
●細い糸くずが舞っているように見えます
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「飛蚊症」の正体は、目の中の〝濁り〞!
眼球の中には、卵の白身に似たゼリー状のもの=硝子体が詰まっています。その99%以上は水で、わずかに線維を含んでいます。若いときは透明で濁りもありませんが、加齢に伴い線維の塊が眼球内をふわふわと漂っている状態に。これが飛蚊症の原因になります。
目の前の浮遊物が急に増えたら、重大な病気かも
まれに網膜裂孔(網膜に穴があく)や網膜剝離(網膜が下の層から剝がれて硝子体のほうへ浮き出す)、ぶどう膜炎(ぶどう膜に炎症が起こる)の可能性もあるので注意が必要。目の前を飛ぶ浮遊物の数が急に増えた、視力が落ちた、物が欠けて見えるなどの症状がある場合はすぐに病院で診察を!
「飛蚊症」の予防と対策
■なってしまったら?
飛蚊症が悪化したときは眼底検査を受け、網膜の状態を調べてもらいましょう。
■治療法は?
生理的飛蚊症なら治療する必要はありません。そして飛蚊症そのものは、自然に消えるのを待つしかありません。また、網膜裂孔や網膜剝離が認められた場合は、治療が必要になります。
■対処法は?
浮遊物が消失することはないので、眼底検査の結果、問題なしと診断された場合は、あまり気にせず過ごすのが一番です。
アイクリニック天神
福岡市天神2-11-1 福岡パルコ6階
10:30〜13:30 15:00〜18:30 水曜日休診
℡ 092-235-7411
イラスト/内藤しなこ 写真/UFO RF/a.collectionRF/amanaimages
取材・原文/上田恵子 監修/大倉萬佐子