OurAge世代なら他人事じゃない!
目の病気「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」
年齢とともに、今まで感じなかった体の不調が出てくるのがOurAge世代。
目の疾患も例外ではありません。
ここでは、目の前に浮遊物が見えてしまう「飛蚊症」とともに、特に気になる症状「加齢黄斑変性」について徹底リサーチ!
今回は、「加齢黄斑変性」になってしまったときの対処法と、自分でできる予防対策をご紹介します。
“老化”以外に
生活習慣もその原因に
「加齢黄斑変性のおもな原因は老化ですが、生活習慣も影響しています。なかでも喫煙者は、発症の頻度が高くなることがわかっています。ほかに太陽光の刺激や高血圧、肥満、偏った食生活、遺伝とのかかわりなども指摘されています」(大倉萬佐子先生)
本を読んだり文字を書いたりするのが困難になる、財布の中のお金の判別がしにくくなる、野菜を切る際に手元が見づらいなど、病気が進むと日常生活にも支障が出てきます。
「加齢黄斑変性」になってしまったら? 予防法は?
■どんな治療法がある?
滲出型の治療には、脈絡膜新生血管の中心窩からの位置、病型や視力の程度によって「抗VEGF療法」「光線力学的療法(PDT)」「レーザー光凝固術」が選択されます。また2014年には、皮膚からiPS細胞を作り、網膜の細胞に成長させて網膜色素上皮細胞を移植する、世界初の手術が行われました。
■自分でできる予防のための対策
「2012年に厚生労働省の調査研究班より公表された『加齢黄斑変性の治療指針』では、萎縮型や前段階の病変だけが認められる場合には、経過観察のほか、予防的治療としてライフスタイルと食生活の改善や、アメリカでの臨床試験結果に基づくサプリメントの摂取が推奨されています」(大倉先生)
★サプリメントなら
「2001年に発表された米国国立眼研究所主導による大規模な臨床試験では、ビタミンC・E、β-カロテン、亜鉛を含むサプリメントを摂取すると、7年間で進行を25%抑制できたという報告があります。さらに、2013年の試験結果からは、β-カロテンを、ルテインやゼアキサンチンに置き換えた処方が推奨されています」(大倉先生)
次ページでは、食べ物と生活習慣での予防策をご紹介!
★食べ物なら
ルテインは、その異性体のゼアキサンチンとともに、黄斑色素を構成するカロテノイドです。これらは、スマホやパソコンなどから発せられるブルーライトをブロックするフィルターとして、目の中の黄斑を保護していると考えられています。毎日の食事でしっかりとるのが理想ですが、難しい場合はサプリメントを利用するのもいいでしょう。
★生活習慣では
紫外線やブルーライトを浴び続けると、網膜の中心部にある黄斑がダメージを受ける可能性があると言われています。また、喫煙者は加齢黄斑変性になる危険性が高いため、禁煙することが望まれます。スマホやパソコンを使う際は、ブルーライトカットフィルムを利用したり、PC用眼鏡をかけるのも効果的です。
アイクリニック天神
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撮影/岩城裕哉 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/上田恵子
監修/大倉萬佐子