水素研究における世界的権威である太田成男先生が伝授!
水素の基礎知識から上手に摂取する方法まで。奥深い「水素」の世界を知って賢く取り入れたい!
「私が水素の研究を始めたのは、わずか11年前のこと。その間に美容や健康への驚くべき効果が、次々にわかってきました」(太田成男先生)
水素の大きな働きは、老化や病気の原因になるといわれている活性酸素を無害化すること。
「実は活性酸素には数種類あり、血管や精子をつくるといった役割を果たす、体に必要な善玉活性酸素もあるのです。しかし一方で、遺伝子やタンパク質などを酸化させる力の強いものもあり、これが悪玉活性酸素です。水素はこの体をサビさせる、悪玉だけに反応することがわかったのです」
その効果は、美肌、ダイエット、アンチエイジングに加え、さまざまな病気の予防や改善に役立つと期待されています。例えば、パーキンソン病、糖尿病、肝炎、アレルギー、認知症など。
「水素は、薬やほかの抗酸化物質と違い、副作用がなく、調子の悪いところだけに働きかけます。例えば、膝が痛ければ膝に、肝臓が弱っていれば肝臓に効くという具合。そんな都合のいい話…と思われるかもしれませんが、現在ではその効果に着目して、世界中で研究が行われています。日本の大学病院12カ所で臨床試験が進行中で、先端の医療現場では、すでに水素を使った医療が始められています」
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水素は無味無臭。最も小さく軽い分子!
水素は、ミトコンドリアの
わずか1万分の1の大きさ!
水素とは水素分子のことで、化学式はH₂。宇宙でいちばん小さく、最も多い気体の分子。水素ガスとも言い、それが水に溶けたものが水素水です。最近では水素自動車が未来の車として話題になったりしていますが、この水素とまったく同じものです。無味無臭で、体に無害。分子が非常に小さく、水にも脂にも溶ける珍しい性質を持っています。そのため、摂取すると数分で体の隅々にまで駆け巡り、悪玉活性酸素から体を守ってくれるのです。
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美肌、ダイエット、病気予防…。水素は万能!?
老化や病気の原因は、酸化力の強い悪玉活性酸素・ヒドロキシルラジカルの仕業。水素はこの悪行を無害化します。そのため、肌や筋肉の老化防止、糖尿病、パーキンソン病、アレルギーなどの病気への効果が研究されています。また、人体やマウスの実験で、体脂肪や悪玉コレステロール、血糖値を減らすことが確認され、メタボやダイエット対策の面でも注目されています。
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水素が最強の抗酸化物質といわれる3つの理由
抗酸化物質にはいろいろありますが、ビタミン類のように分子が大きいと浸透性が悪く、特定の場所でしか作用できません。ところが水素は分子が極小で、水にも脂にも溶ける性質のため、細胞内のどこにでも入っていけます。また体に必要な善玉活性酸素には作用せず、酸化力の強い悪玉活性酸素だけに、選択的に作用すること。そして、たとえ摂取しすぎたとしても、副作用がないことが、水素が最強の抗酸化物質といわれるゆえんなのです。
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一番のメリットは副作用がないこと。だから安心!
水素(H₂)+活性酸素(2・OH)=水(2H₂O)。このふたつが結びついたあとは、無害な水になって体外に排出されます。また通常、降圧剤は血圧の高い人も正常な人も血圧を下げますが、水素は血圧の高い人だけに作用します。たとえ摂取しすぎても、体に悪影響のないことが大きな魅力。
次回は、水素を上手にとれるサプリメントやコスメをご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 取材・文/山村浩子