乳がんにかかる確率が「10人に1人」になるのも時間の問題といわれています。かかる年齢は45歳がピークだし、乳がんになる友人は増えるし、有名人は次々とカミングアウトするし…
でも「自分が乳がんになったら?」と怖がるより、今、先にすべきことを考えてみて。乳がんサバイバーの皆さんのお話も参考に、正しい知識を持っておきましょう。
ほかのがんと比較して
治る率が高いのが乳がん
「乳がんは、早期に見つかれば治る確率が非常に高い病気です!」
きっぱりと言うのは乳腺専門医であり、日本のピンクリボン運動を始動させたことで知られる島田菜穂子先生。
「有名人の方々が公表したことの波紋が大きくて。検診を受ける人や乳腺科を受診する人が増えたのはいいことなんですが、必要以上に恐怖心を抱く人も増えています。早期に発見できれば大丈夫なんですから」
でも、毎年の検診で見つからなかった、一度は良性と言われたのに悪性だったなど、見落とされる例がとても多いような気がするのですが?
「検診は、検査環境と技術が整った施設を選ぶことが大切です。『日本乳がん検診精度管理中央機構』が認定する医師・技師・施設がそろった医療機関で受けることをおすすめします。また、診察を受ける際は、乳腺専門医がいることはもちろん『日本乳癌学会』の認定施設・関連施設を選んで※1」
それでも万が一、乳がんにかかってしまったらと考えるとやはり心配。
「乳がんになる人が多いのは事実で、日本人女性のがんとしては大腸がんに次いで2位。これが死亡率となると5位なんです。つまり、乳がんは治る病気だということ。治療法もいろいろ選べるのです。そして乳がんは他の臓器に比べて、抗がん剤がよく効くことが大きな違いなんです。現に治療して元気になっている人がなんて多いこと!」
※1 乳がん検診について詳しくは…「乳房健康研究会」HP https://breastcare.jp
グラフからわかるように、乳がんは0期(ステージ0)であれば95%以上、限りなく100%に近く治ります。だから乳がん検診で早く発見しなくてはならないということ。セルフチェックで見つかるのは2㎝程度になってからが多いようです
MyAge/OurAge世代の乳がん罹患率は? 今やっておくべきこととは? 次のページでご紹介します。
40代後半から50代前半にかけてが乳がんにかかるピークです
*国立がんセンターがん対策情報センターより
●MyAge/OurAge世代なら、これだけはやっておきたい[3原則]
① 乳がん検診(マンモグラフィ&エコー)は絶対に!
マンモグラフィは乳房のX線検査のこと。エコーは超音波により病変を見つける検査。このほか乳がん検診には医師による視触診も含まれます。これらはセットで必ず受けたい!
② 乳がんのリスクを下げるための生活習慣を!
乳がんと大腸がんに関しては、適度な運動ががんにかかりにくくすることがわかってきました。週2回くらいの運動は生活習慣病とともにがん予防にもなります!
③ 民間の医療保険には必ず加入しておくこと!
治療にかかるお金と期間を考えると、保険に入っているかいないかで安心度が違います。なってからでは入れないのが保険。健康なうちにこそ加入しておくのが鉄則です。
次回からは乳がんと闘った女性達の話をご紹介します。
撮影/露木聡子
構成・原文/蓮見則子