虫歯になったら削るのは当たり前。ひどくなったら抜くのはしょうがない…。
そう思っている人は必見! 歯科治療を根本的に見直す北欧式の最新ケアとは?
フィンランドで予防歯科を学んだ、辻村先生にお伺いしました。
治療した歯が悪くなるのはなぜ?
以前に根の治療をした歯が痛くなった。そんな経験をした人は少なくないはず。どうして治療したのに、繰り返し痛みが出るのでしょうか?
「それは根管治療が不十分なことが原因です」(辻村傑先生)
虫歯が進行すると、歯の神経が炎症を起こして痛みが出ます。この痛みを止め、歯の機能を維持するために、歯の根の中を治療します。これを根管治療といいます。
「通常、日本の保険治療では、神経や感染した歯質を取り除いた後、何度か薬剤を置き、その後ガッタパーチャというゴムで充塡します。この
方法では菌が除去し切れず、既成サイズの棒状のゴムを詰めるため、緊密にできないことが多く、そこからまた炎症を起こすのです。
根の先は複雑に枝分かれしており、根管治療は非常に繊細な作業。完璧に行うには、精密な治療ができる機器と熟練した技術が必要です。米国では専門医がいるほどです」
肉眼では探せない、小さな根管を見つけ出すマイクロスコープ(30倍の視野を確保)を使用し、湾曲した根にも対応できる装置と、高い効果と生体安全性のあるTHPウォーターでルートクリーニングを行い殺菌。そしてエンドペックスシステムという機器で根管を「樹脂」で緊密に充塡。この精密根管治療なら、再発治療はほとんどありません。
マイクロスコープで精密治療
精密な根管治療を行うために、30倍の視野が確保されるマイクロスコープを使用。
より精密な治療が実現します。
安全でしっかり滅菌する電解水
根管内洗浄剤には、臨床研究で最も効果が高く、
生体に安全なTHPウォーター(微アルカリ性電解水)を使用。
次回はフィンランドの歯磨き事情についてご紹介します。
撮影/中川十内 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子
撮影協力/つじむら歯科医院