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眼瞼下垂ってどんな病気!? 【原因と症状】

島倉康人

島倉康人

自由が丘クリニック形成外科・美容外科。医学博士。眼瞼下垂の治療数も多く、学会などでも発表

 

自由が丘クリニック

東京都目黒区八雲3-12-10 パークヴィラ2・3F

☎0800-808-8200

診療時間/10:00 ~ 19:00(予約制)
休診日/木曜日

名前だけは最近よく耳にするけれど、いったいどんな病気か詳しくはわからないという人も多い眼瞼下垂。そこで、治療実績が高い眼瞼下垂の名医・島倉康人先生に、眼瞼下垂の基本のきを教えていただきました!

 

 

Q1

どんな状態を眼瞼下垂と呼ぶ?

 

A1
まぶたを引き上げる筋肉の機能低下のことです。

体の他の部位と同じように、まぶたにも筋肉があり、その力でまぶたは開いたり閉じたりしています。まぶたを開くときに使う、眼瞼挙筋につながっている挙筋腱膜という部分が、伸びたり外れたりすると、まぶたの開きが悪くなります。それによって、まぶたが重たく下がり、視野が狭くなって生活に支障が出たり、視野以外にも体のさまざまな部分に不調が出ます。まぶたの黒目へのかかりぐあいや他の身体症状などを診て、診断していきます。

眼瞼下垂 まぶたの状態

診断基準にもなりますが、まぶたの開きの状態。黒目にどれぐらいかかるかを主軸に、他の部分の不調なども合わせて、保険適用になるかなど、治療方針を決めていきます

 

 

Q2

どの部分がたるむ?

 

A2
主訴はまぶたですが、眉やおでこにも変化が!

たるむ部分は、おもにまぶたです。まぶたの裏側にある、まぶたを引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)とつながっている挙筋腱膜が、伸びたり外れたりすることで、まぶたを引き上げる力が低下して、たるみます。また、たるみではありませんが、他の部分にも変化が出ます。正常にまぶたが開かないとおでこの筋肉に力をいれてまぶたを引き上げようとするため、眉の位置が高くなります。それと同時に、おでこにも不要な力がかかるため、シワができやすくなります。

眼瞼下垂 まぶた断面図

まぶたを開くための筋肉とまぶたをつないでいるのが、挙筋腱膜。日本人は欧米人に比べ、まぶたに脂肪が多いので、この腱膜の力が弱まるとたるみが目立ちやすいそう

 

 

 

眼瞼下垂の原因、体への影響については次のページで!

Q3

どういうことをすると眼瞼下垂になる?

 

A3
原因は加齢。でも、こするなどのクセもNG。

先天的なものや事故が原因で起こることもありますが、一般的なのは、加齢によるものです。年齢とともに、挙筋腱膜が衰えることから発生します。ですが、発生を後押しする要因はほかにもあります。例えば、コンタクトレンズ。長年、ハードコンタクトレンズをつけているとなりやすいという報告も。また、花粉症などのアレルギーで目をこするクセがある人も発症しやすいといわれています。挙筋腱膜を含め、目元の組織は非常にデリケートです。

 

 

Q4

視野以外に体に何か影響はある?

 

A4
頭痛や肩コリ、不眠やうつを引き起こすことも!

まぶたが思うように開かなくなると、額にある前頭筋など、他の筋肉を使って、まぶたを持ち上げようとします。その動作を続けていると眉の位置が高くなり、額には横ジワが生まれます。また、つねに無理な筋肉を使っているため、頭痛や肩コリなども起こりやすくなります。交感神経もつねに緊張状態になるため、不眠やうつ病などを引き起こしてしまうことも。眼瞼下垂というと見た目の悪さや視野の狭さだけが注目されますが、ほかにも問題はあるのです。

 

 

Q5

自力で治すことはできる?

 

A5
残念ながら自力では眼瞼下垂は治せません。

眼瞼下垂を目元のたるみととらえて、化粧品や日頃のケアなどで治すことができると思っている人もいるよう。ですが、眼瞼下垂は皮膚のたるみが原因ではなく、まぶたの中の腱膜が、伸びたり外れたりしている状態なので、これを自力で修復することは不可能です。専門的な治療(次回参照)が必要です。日頃から目をこすらない、コンタクトの装着に気をつけるなど、まぶたを刺激しないようにすることで、下垂する速度を早めないことは大事です。

 

 

 

 

次回は眼瞼下垂の治療と予防についてご紹介します。

 

 

 

 

イラスト/内藤しなこ 構成・原文/伊藤まなび

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