食生活を見直して、認知症発症リスクを下げる
日本では65歳以上の約4人に1人が、認知症およびその予備軍(軽度認知障害)といわれています※。
しかも、その8割が女性。決して他人事ではない問題です。
認知症は発症の20年くらい前からの生活習慣、特に食生活が大きく影響しているのだとか。
40歳を過ぎたら食事を見直して、若々しい脳を保ちましょう!
※2015年、厚生労働省と関係府省庁が共同策定した『認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)』より、2012年時点での統計。
あなたの食生活は大丈夫?
40歳を過ぎたら改めたい!
認知症リスクの高い食生活
認知症の根本的治療は難しいといわれています。だからこそ、発症する前に予防することが大切。
まずは認知症の原因や、こうした原因を作ってしまうのはどんな食生活なのか、正しく知っておきましょう。
認知症は脳の生活習慣病。
食生活が大きくかかわる
認知症とは「病名」ではなく、認識・記憶・判断に関する力が衰えて日常生活や社会生活が困難になった「状態」のことを言います。なぜ、このような状態が起きるのでしょうか?
認知症の原因となる病気にはいろいろなものがありますが、その多くは脳に老廃物が蓄積したり、脳の血管に障害が起きたりすることで、神経細胞がダメージを受けることで起こります。
独自の認知症治療プログラムを開発し、日々診察を行う、ブレインケアクリニック名誉院長の今野裕之先生は、
「こうしたダメージに大きくかかわっているのが40歳頃からの生活習慣、特に食生活です。認知症の前段階(軽度認知症)なら、食事習慣の見直しや栄養補充によって、改善する人もいるくらい、脳の機能と食事には密接なつながりがあります」
と言います。
原因別認知症の種類
アルツハイマー型認知症
認知症の40~70%を占める。アミロイドβ、タウタンパク質など、通常は脳から排出されるはずの老廃物(=ごみ)が蓄積し、脳内の神経ネットワークの働きが壊れることが原因で起きる。
脳血管性認知症
認知症の10~40%を占める。脳の血管が詰まったり、出血を起こしたりすることで、神経細胞がダメージを受けて起こる。注意力や記憶力の低下よりも意欲の低下や、感情の起伏が激しくなるなど。まだら症状が特徴。
レビー小体型認知症
認知症全体の5~10%。神経細胞にレビー小体といわれる特殊なタンパク質がたまって起こる。おもな症状としては、手の震えや筋肉のこわばりといったパーキンソン病の症状のほか、睡眠行動障害や幻視などがある。
前頭側頭型認知症
認知症の1~3%と少ないが、脳内にタウタンパク質やTDP-43などの老廃物がたまり、脳の前頭葉と側頭葉の神経が変形し、脱落することで起こる。最初のうちは、記憶障害は目立たず、行動の異常が特徴。
あなたの食生活は大丈夫でしょうか? 次回の食生活チェックリストで自己チェックしてみましょう。
撮影/三木麻奈 料理/舘野真知子 スタイリスト/サイトウレナ 構成・原文/瀬戸由美子