バランスよく豊富な栄養素を含む大豆は認知症予防にも期待大だといいます。「大豆はOurAge世代にぜひおすすめしたい食品!」という料理研究家の松田美智子さんに、この連載で簡単でアレンジ自在な大豆レシピを教えていただきます。
まずは、常備しておきたい、ゆで大豆の作り方から。
食感を残して20分ゆでるだけ!
納豆、豆腐、油揚げ…など大豆製品は数々ありますが、「嚙む」ことが脳への刺激になると考えれば、大豆そのものがベスト。さまざまなアレンジが可能な「ゆで大豆」を常備しておけば、飽きずにいつでも食べられます。ゆで方もびっくりするほど簡単!
水でもどさなくても簡単にゆでられます
ひと晩水につけて、1時間ほど鍋でコトコト…。「豆は面倒」と思っている人は多いでしょう。松田流なら、そんなややこしさは一切なし。「大豆を洗わない」「水でもどさない」「ゆで時間は20分だけ」。簡単でしょう?
昔は豆を柔らかくゆで上げるのがよいとされていたので、水でもどすのが主流でした。でも、洗ったりもどしたりしたら、せっかくの栄養素が水に溶け出てしまいます。もどさずゆでる技法は、宮中へ献上する和菓子の職人さんに代々伝わるもの。豆の旨味を 逃しません。上質な豆だからこそできたのですが、今は流通が早く豆の状態もいいので、これで上手にゆで上がります。水でもどさないので皮が破れず、食感もしっかり残ります。豆の旨味を感じながら、しっかり嚙んで、認知症予防に役立ててください。
ゆでた豆は足が早いので、使わない分は冷凍して。炒めたり、グラタンやカレー、シチュー、煮物、ハンバーグの種に加えたりと重宝します。
大豆のゆで方
1
土鍋、または鋳物ホウロウ鍋に水1.5ℓを入れ、よく沸騰させる。100℃まで湯の温度を上げておき、乾燥大豆300gを洗わずそのまま、沸騰した鍋に静かに入れる。豆が優しくダンスするような状態を保つように火加減しながら、20分ほどゆでる。
2
湯の表面に細かい泡=「しぶ(アク)」が浮かんだら、丁寧にすくって取り除く。
3
しぶを取って湯の量が減ったら、沸騰しすぎないよう常温の水を同量程度加えていく。20分ほどたったら大豆を食べてみて、少し硬めにゆで上がったら火を止める。
4
流しに鍋を移動し、大豆に直接当たらないように鍋の縁から流水を当てる。鍋に手が入るくらいの温度に下がったら大豆を両手ですくい上げ、平ザルに広げて水気をきる。使いやすい量(1カップくらい)ずつ保存袋に入れて、冷蔵庫で2日間、冷凍で1カ月ほど保存可能
次回は、このゆで大豆を使ったレシピをご紹介します。
撮影/合田昌弘 料理・スタイリング/松田美智子 構成・原文/北村美香