会社勤務を経て1年間京都の禅寺で生活、パリのリッツ・エスコフィエでディプロマ取得。おもに発酵料理を得意とし、和洋中、スイーツ、パンなど幅広いレシピで人気。著書に『和えもの』(主婦と生活社)、『からだが整う発酵おつまみ 免疫力が上がる、おいしくなる』(エムディエヌコーポレーション)、『発酵美人になりませう。』(宝島社)など。
乳酸発酵の豊かな食材を、調味料感覚で使いこなす
発酵研究家で料理研究家の真藤舞衣子さんが今回教えてくれたのは、ヨーグルトと粉チーズを調味料として使用したレシピ。
「乳酸発酵によって生まれた深い旨味と、爽やかな酸味を加えることで、新しい味わいを楽しめます。肉や魚などにもよく合いますが、特に私が気に入っているのは、野菜との組み合わせ。シンプルにゆでたり、焼いたりした野菜が、ぐんと味わい深くなります!」(真藤さん)
ヨーグルトも粉チーズもさまざまな種類があり、その風味もいろいろ。真藤さんおすすめの2品を教えていただきました。
ヨーグルトでイタリアンの定番ソースを爽やかに
1品目は、「中沢乳業」の「中沢ジョージアヨーグルト」。
世界有数の長寿国として知られる国、ジョージアの種菌から作られたヨーグルトです。ジョージアはヨーロッパの東の端に位置する、酪農や乳製品の生産が盛んな国です。
「口当たりがとてもなめらかで、酸味がマイルド。食べやすくてナチュラルな味わいです」と真藤さん。
そのままで食べてもおいしいヨーグルトですが、その濃厚な旨味と爽やかな酸味を生かしてソースにも。サラダのドレッシングにしたり、スープやグラタンのホワイトソースに使用したりすると、料理が軽やかな味わいになります。
乳酸菌入りのソースやスープで、コツコツ腸活できるというのもうれしいですね。
「中沢ジョージアヨーグルト」は、ジョージアの乳製品メーカー、ニコラ社の種菌を使用し、現地の製法をもとに、日本で再現したもの。なめらかな食感とマイルドな酸味が人気の秘密です。また、腸まで届くビフィズス菌「BB-12」もプラスされています。
中沢ジョージアヨーグルト
そして、今回はその程よい酸味とクリーミーな味わいを生かした、イタリア料理の定番ソース「トンナート」を紹介していただきました。
トンナートは、卵黄とオリーブオイルを攪拌したものをベースに、ツナやケイパーを加えて作る、イタリアンテイストのツナマヨソースといった感じ。
卵黄は使用せず、ヨーグルトをベースに仕上げると、すっきりとした、大人の味になります。
トンナートソースを仔牛肉にかけた、「ヴィテッロ・トンナート」は、イタリア・ピエモンテ州の定番郷土料理。ローストチキンやポークなどに添えるほか、野菜にもよく合います。
今回は焼いたなすに合わせました。ツナの旨味とヨーグルトの爽やかな酸味が、淡泊な味わいのなすによく合います!
【レシピ】
焼きなすのトンナート
材料(つくりやすい分量)
<トンナートソース>
A
ツナ缶 1缶
ヨーグルト 大さじ4
ケイパー 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩・こしょう 各適量
なす 好みの分量
ディル 適量
作り方
①ツナ缶は汁気を切り、Aの材料をすべてフードプロセッサーに入れて、なめらかになるまで攪拌する。
②なすはヘタの周りにぐるりと切り込みを入れ、先のほうから上に向かって、真ん中あたりまで、竹串を刺す(こうすることで、なすに火が通りやすく、皮がむきやすくなる)。
③②のなすをグリルまたは焼き網でこんがりと焼く。まんべんなく火が通るよう、途中で転がしながら、皮全体が黒っぽくなるまで焼く。
④手で触ってもやけどしない程度に冷めたら、皮をむき、食べやすい大きさに割いて皿に並べる。
⑤④に①のトンナートソースをかけ、ディルをあしらう。
熟成された濃厚なチーズの味わいを手軽に
次に紹介していただいたのは「森永乳業」の「クラフト 100%パルメザンチーズ」です。
粉チーズの中でも一般的な、「プロセスチーズ」を粉末にしたものは、乳酸発酵の風味が弱いとのこと。
一方、「クラフト 100%パルメザンチーズ」は、生乳と塩のみを原料に、発酵・熟成させたもので、『ナチュラルチーズ』に分類されます。
「しっかりとした発酵風味が味わえます」と真藤さん。
また、塩分もまろやかなので、塩気とともにコクと旨味を加えることができます。保存料やセルロースなどの添加物不使用というのもうれしいですね。
そんなチーズの濃厚な発酵風味を生かした料理として真藤さんが紹介してくれたのが、紫カリフラワーを使ったサラダ。「簡単でおいしい!」とおすすめです。
「熟成したパルミジャーノレッジャーノを削ってかけるのは、もちろんおいしいのですが、粉チーズを使用して手軽に作れるという点が魅力です。『クラフト 100%パルメザンチーズ』なら、発酵の風味がきちんと味わえます。ポピュラーな商品なので、どこででも手に入りやすいというのもありがたいです」
クラフト 100%パルメザンチーズ
森永乳業
【レシピ】
紫カリフラワーのパルメザンチーズサラダ
材料(作りやすい分量)
紫カリフラワー 適量
パルメザンチーズ 適量
オリーブオイル 適量
作り方
①紫カリフラワーは小房に分け、生のまま約5mmの薄切りにして皿に並べる。
②①にパルメザンチーズとオリーブオイル、好みでこしょう(分量外)をかける。
牛乳の栄養がギュッと凝縮されているため、一食(5g)で約72mgのカルシウムが摂取できるとのこと。
カルシウム不足が気になる人は、パスタやサラダにさっとひとふりすれば、不足しがちなカルシウムをちょい足しできます。
カリフラワーは白いものでももちろんOK!
ぜひ作ってみてくださいね。
撮影/真藤舞衣子 取材・文/瀬戸由美子