ツルツル、ヌルヌルの食感で滋養たっぷり!
連日の猛暑で外では汗をかき、冷房の効いた部屋では体が芯まで冷える。そのような環境では自律神経が乱れて疲労が蓄積され、胃腸も弱り、食欲が低下しがちです。
食欲がない夏の定番料理といえばそうめん。でもいつも同じでは飽きてしまうし、栄養の偏りも気になります。そんなときにおすすめなのが、韓国風にアンレジした滋養たっぷりの一皿です。
「東洋医学・薬膳では『山の薬=山薬(さんやく)』と呼ばれる山いも。これをすりおろし、冷たいそうめんの上にたっぷりのせ、豆乳と白だしのだし汁で、白色パワーいっぱいで仕上げます。
白い食材は体に潤いを与える効果が高いものが多く、山いもは汗とともに失われた『気』も補い、疲れた胃腸をケアする働きがあります。豆乳のタンパク質で体力アップ、水分もしっかり補給し、薬味のみょうがは余分な熱をとって血行を促し、しその葉の香りは気の巡りをよくしてくれます」(谷口ももよさん)
【薬膳ポイント】
山いも
山いもの仲間には、長いも、自然薯(じねんじょ)、大和いもなどがあります。どれもネバネバ、ヌルヌルしているのが特徴。この料理にはどれを使ってもかまいません。いずれも、臓器、肌、髪などを潤す作用があります。特に疲れやすい、食欲がないといった「気虚」タイプにおすすめの滋養の高い食材。特に生で食べると消化を助けてくれるので、すりおろしてとろろにすると、食欲のないときの体力回復の手助けになります。
【材料 2人分】
そうめん:2人分
山いも:100g
豆乳:300㏄
ごま油:小さじ2
白だししょうゆ:大さじ1
しその葉:2~3枚
みょうが:1個
【作り方】
① 山いもは皮をむいてすりおろし、しその葉とみょうがはせん切りにする。
② そうめんをゆで、素早くザルに上げ、冷水に取ってもみ洗いし、水気をきる。
③ ②を器にもり、①をのせる。
④ 豆乳に白だししょうゆを入れて混ぜ、③にかけて、さらにごま油を回しかける。
「山いものトロトロ感が崩した豆腐のような食感で喉ごしよく、薬味の風味で夏バテ対策にも最適なそうめんメニューです」
【教えていただいた方】
国際中医師、国際薬膳調理師、一般社団法人「東洋美食薬膳協会」代表理事、「世界中医薬学会連合会」理事、一般社団法人「日本豆腐マイスター協会」理事。 「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単でおいしい薬膳レシピを提案。ヘルシーな豆腐や野菜を中心にしたベジ料理にも精通している。料理本のアカデミー賞といわれるグルマン世界料理本大賞にて、2015年『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』と2017年『べジ薬膳』で健康料理部門グランプリを受賞。日本における薬膳料理研究家の第一人者として、TVや女性誌などのメディアでも幅広く活動中。6冊目の新著『女性の100の不調を整える薬膳と漢方』(エクスナレッジ)が10月15日発売。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子