「老い対策」のレンジ料理に、今日の自分が助けられています
忙しい朝に、ちょっと甘いものが食べたい午後に、ささっとレンチンで作れる蒸しケーキをご紹介します。
私は50代間近になってレンジを使うようになりました。
家にレンジがありながら、温めることにさえもあまり使わなかった母。私たちOurAge世代の母親たちは多くがそうかもしれません。
そんな母が80代になって、大好きだった料理が大変になり、火を使うのが不安になっていくのを見て「レンジが使えたら」と思うようになりました。でも80歳の手習いではなかなか難しい。それに私も、温める以外、母に教えることができませんでした。
そうかー、じゃあ私は今から練習しようかな、と思ったのです。一日も長く、自分の味を食べたいから、フライパンや蒸篭と同じ、調理道具としてマスターしておこうかな、と。
そんな「老い対策」で使いはじめたら、意外なことに、今日の自分がずいぶん助けられました。以来、日々の料理の中でも、うまく使うように。
レンジ調理は蒸す料理が得意です。水分を逃がさないので蒸篭とは違いますが、その特徴を活かせば、しっとりと仕上がります。一方、かりっと焼く系は苦手。いろいろやってみて、得手不得手を理解できるようになると、“レンジだからおいしい”料理もたくさんあるとわかりました。
今回ご紹介するのは、旬を迎えるレモンを使った蒸しケーキです。10分もかからず、ささっとできるのもよいところ。洗い物も最小で助かります。
国産レモンは年内はグリーンが主流、年が明けると黄色く色づいたものが出回ります。今回は皮の苦みも楽しむ大人っぽい仕上げですが、苦手な方は、皮をむいて使ってください。
さて、5年以上続けてきたこちらの連載は今回で最終回です。コロナ禍で、おうちで3食作る方が増える中、ささっと道具ひとつでできる、だけど手抜きではないレシピをご提案してきました。“作ったよー”の声もたくさんいただき、とてもうれしかった。ありがとうございました。そして、この連載をまとめた書籍の制作が始まっています。来年の刊行をお楽しみに~。
レンチンレモン蒸しケーキ
材料(作りやすい分量)

*ホットケーキミックス 80g
*牛乳 50ml
*卵 1個
*砂糖 小さじ2
バター 10g
レモン 1個
砂糖 小さじ1
作り方
① Sサイズの耐熱ボウル(直径12~14cm程度)に、*を入れて混ぜる(多少、だまがあっても大丈夫です)
② 1にバターをちぎっていれる

③ レモンは半分の果汁を絞り②に加え、残り半分は輪切りにし、砂糖を振る

④ ②に③の輪切りレモンを並べて、ふわっとラップをかけて、600Wの電子レンジで2分半加熱する。もしその段階で中央に生っぽい部分が残っていたら、10秒ずつ追加で加熱する

⑤ 竹串をさして何もついてこない状態が完成。カットして皿に並べる

簡単美味しい一品で、おうちごはんをより楽しく!



