普段、何気なく食べているものに、実はAGE(終末糖化産物)はたくさん含まれています。まずは、どんなものに多く含まれているかを知って、これらを控えめにすることが抗糖化の第一歩。
教えてくださるのは、「AGE牧田クリニック」院長の牧田善二さんです。
牧田善二さん
Zenji Makita
医師。「AGE牧田クリニック」院長。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などでAGE研究を約5年間行なった経験を持つ。著書『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)がベストセラーに
タンパク質とブドウ糖を
同時に加熱したものに注意
食品に含まれるAGEの大半は消化のプロセスで分解されますが、全体の約10%は分解されずに体内にたまってしまうそう。具体的に、AGEはどんな食品に多く含まれるのでしょうか?
「AGEは、タンパク質とブドウ糖を同時に加熱したものに多いのです。例えばパンケーキ、唐揚げ、ステーキ、トーストなど。いずれもおいしそうな焼き色がついているのが共通点ですが、AGEは、このこんがりとした焼き色がつくときに生まれます。ですから焼き色がついたものはなるべく控えめに。また、高温で調理するほどAGEは増えるので、長時間焼いたり揚げたりしたものも要注意です」(牧田先生)
AGEが特に多い食品を以下にピックアップしました。普段、何気なくとっているものに多いのでご用心を。
1
こんがり焼いたもの
こんがり焼き色がつくことを"メイラード反応"といい、このとき大量のAGEが発生。つまり茶褐色のものはAGEが多め。AGE量はKU(キロユニット)という単位で表され、炊いたご飯100gのAGE量は9KUなのに対し、パンケーキ30gは679KU、鶏胸肉の唐揚げは90gで6651KUも含有!
2
揚げ物
高温で調理をするほどAGE量は増え、特に揚げると温度が170〜200℃にもなるのでAGEが急増。例えば鶏胸肉は、煮ると生の約1.5倍、焼くと約7.5倍、揚げると約10倍にもAGE量が増えます。また、フライドポテトは、店の高温のフライヤーで揚げるとAGE量が自家製の2倍以上に。
3
熟成させたチーズ
チーズもAGEが多い食品。熟成させないモッツァレラチーズなどはAGEが30gで503KUと比較的少なめですが、熟成させたチーズは熟成の過程でタンパク質と糖質が反応し、AGEが増えます。
例えばアメリカ製プロセスチーズは30gで2603KU、パルメザンチーズは15gで2535KUと多め。
4
糖質の多いもの
血糖値が高い状態が続くと、体内のタンパク質と糖が結びつきAGEが生じやすくなるので、血糖値を急上昇させる糖質の多いものも、なるべく控えたい食品。チョコレートやケーキ、大福などの菓子類、人工甘味料が多く含まれる清涼飲料水、ご飯やパン、麺類など高糖質の食品は控えめに。
5
加工肉
魚より肉類のほうがAGEが多い傾向があります。肉は加熱する必要があるのでさらにAGEが増え、調味料に糖質が多いものを使うともっとAGEが増加。加工肉にもAGEが多く、5分焼いたフランクフルトソーセージは10143KU、焼いたベーコンは11000KUものAGEを含有。
次回は「AGEを極力とらない&減らす食べ方とは?①/パンを食べるなら、おすすめは?」をご紹介します。
イラスト/しらいし ののこ 構成・原文/和田美穂