食べ方や食品選びにちょっと気をつけるだけで、食べ物から摂取するAGEの量は減らすことができます。体に蓄積されたAGEも減らせるので、以下の方法を取り入れて体を若返らせましょう!
教えてくださるのは、「AGE牧田クリニック」院長の牧田善二さん、料理家のタカコ ナカムラさんです。
牧田善二さん
Zenji Makita
医師。「AGE牧田クリニック」院長。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などでAGE研究を約5年間行なった経験を持つ。著書『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)がベストセラーに
タカコ ナカムラさん
Takako Nakamura
料理家。「タカコ ナカムラWholeFoodスクール」主宰。「50度洗い」「ベジブロス」など食のトレンドを発信。AGEを抑える調理法にも着目。著書に『老化物質AGE ためないレシピ』(パンローリング)など
抗糖化作用がある食品をとればAGEは減らせる!
AGEを増やさないためには、糖化を抑える作用がある成分を含む食品を、積極的にとるのもポイントです。
「抗酸化作用があるビタミンA(β-カロテン)、C、Eのほか、リコピンやカテキンをはじめとするポリフェノール類には抗糖化作用もあるので、おすすめです。これらは緑黄色野菜などに多いので、毎日しっかりとりましょう。また、ビタミンB群にも抗糖化作用のあることがわかっています。AGEが多い食品をとるときも、こういった食品をプラスするだけで糖化を抑えられます。また、血糖値を急上昇させないよう、食物繊維が多い野菜などの食品から先に食べ、糖質が多いご飯やパンなどは最後に回すのも、糖化を防ぐコツです」(牧田先生)
そのほか、以下のような食べ方もおすすめなので、取り入れてみて。
パンを選ぶなら
クロワッサンよりベーグル
「パンは基本的にご飯よりAGEが多めですが、パンの中でも比較的AGEの量が少ないのが、ゆでてから焼くベーグル。例えば、こんがりと焼いたクロワッサンは、100gのAGE量が1113KUと多いのに対して、ベーグルは167KUと格段に少なめ。全粒粉を使ったパンなども血糖値が上がりにくくおすすめです」(タカコ ナカムラさん)
卵はゆで卵やポーチドエッグに
「卵は栄養価が高くてAGEの含有量が低い、おすすめの食品です。ただ、目玉焼きは油で長く加熱する調理法のため、AGEの量がゆで卵の約6倍と、一気に増えてしまいます。卵料理はゆで卵やポーチドエッグ、温泉卵など、高温加熱しない調理法で食べるのがベターです」(牧田先生)
コーヒーはいれたてをブラックで
「コーヒーで最もAGE量が少ないのがいれたてのブラック。インスタントコーヒーにはいれたてのブラックの約3倍のAGEが含まれ、また、コーヒーをドリップして保温すると1時間後にはAGE量が約8倍以上に。作りおきせず、すぐ飲むのがおすすめ。入れるなら牛乳より豆乳を」(牧田先生)
魚は刺身かカルパッチョがベター
「魚は基本的に肉よりAGEの含有量が少なめ。生でとる刺身やカルパッチョを選べば、AGEの摂取量を抑えられます。例えば生の鮭の場合、90g当たりのAGE量は502KU。でも、10分揚げてフライにすると1348KUと2.6倍に増加してしまいます。魚は生のままがベターです」(牧田先生)
次回は「AGEを極力とらない&減らす食べ方とは?②/緑茶とほうじ茶、どちらを選ぶべき?」をご紹介します。
イラスト/しらいし ののこ 構成・原文/和田美穂