AGEの量は調理法によって大きく変わるので、AGEを増やさない調理法を覚えておきたいもの。基本は、なるべく高温調理を避けること。おすすめの調理法を、料理家のタカコ ナカムラさんに教えていただきました。
タカコ ナカムラさん
Takako Nakamura
料理家。「タカコ ナカムラWholeFoodスクール」主宰。「50度洗い」「ベジブロス」など食のトレンドを発信。AGEを抑える調理法にも着目。著書に『老化物質AGE ためないレシピ』(パンローリング)など
ゆでたり、蒸したりなどの
水を使う調理が抗糖化に◎
同じ食材でも調理法でAGEのたまり方が変わるので、日々の調理法を変えることは、最も効果的な糖化対策。
「AGEを増やさないためには、もちろん加熱せず〝生〟でとるのが一番ですが、そればかりとるわけにもいきません。生の次に、蒸す・ゆでる→煮る→炒める→焼く→揚げるという順番で高温になっていくので、なるべく高温の調理法を減らす工夫を。特に避けたいのは、電子レンジでの加熱や、揚げたものをさらに炒める酢豚などの料理、二度揚げ、オーブンや圧力鍋を使う料理、肉や魚や炭水化物をこげつかせる料理です。逆におすすめなのは、水を使った調理法。ゆでたり、蒸したりといった調理法は、水を使うので沸騰しても基本的には100℃までしか温度は上がりません。今回と次回で紹介するような方法で、なるべくAGEを減らしましょう」(タカコ ナカムラさん)
油をあらかじめ加熱しない
コールドスタート
「焼いたり炒めたりするとき、鍋やフライパンを加熱してから油を加えると一気に高温になり、AGEが増えてしまいます。コールドスタートは、最初に冷たいままの油をフライパンにひいてから火にかける方法。こうするとじんわりと加熱されてAGEの増加を抑えられ、油の酸化も防げます」
レモンや酢に漬け込むことでAGE抑制
焼く前にマリネ
「肉を焼いたり揚げたりする前に、抗糖化作用があるクエン酸を多く含むレモンや酢などに、1時間ほど漬け込んでマリネしましょう。加熱すると増えるAGEの量を、この方法で約60%も抑えられたという報告もあります。このひと手間でAGEの摂取を抑えられるので、ぜひ取り入れて」
抗糖化成分たっぷりの野菜だし
ベジブロス
「ベジブロスとは野菜のだしのこと。野菜の皮やヘタ、種など通常は捨ててしまう野菜の切れ端を両手1杯分と、水1.3ℓ、酒小さじ1杯を鍋に入れて弱火で20〜30分煮て、ザルでこせば完成。野菜の切れ端には抗糖化&抗酸化物質が豊富。これを水の代わりに料理で使えば抗糖化に」
次回は「タカコ ナカムラさん指南/AGEを増やさない調理法は、これ!(後編)」をご紹介します。
イラスト/しらいし ののこ 構成・原文/和田美穂