体に必要な1日分の食物繊維を一度にとろうとすると、大変で長続きしないものです。ではどのように摂取すればよいのでしょうか? 大妻女子大学家政学部 食物学科教授の青江誠一郎先生にお伺いしました。
お話を伺ったのは
青江誠一郎さん
Seiichiro Aoe
大妻女子大学家政学部 食物学科教授。日本食物繊維学会理事長。雪印乳業技術研究所研究員などを経て現職。近著に『最強! 毒出しごはん』(河出書房新社)
単一ではなく、複数の食材からとる
健康を目的にしたどんな食事法も同じですが、体にいいからと単一の食品を食べ続けても効果が上がりません。前回ご紹介した3種の食物繊維が豊富な食材―穀類、海藻類、いも類、豆類、きのこ類、野菜や果物をバランスよくとるのが理想的。
「さらにほかの食材、例えば、玉ねぎや大豆などはオリゴ糖(ルミナコイドの一種)が豊富で、やはり腸内細菌のエサになります。果物にもさまざまな食物繊維が含まれます。1000種類もある腸内細菌を元気にするためには、食品は幅広くまんべんなく食べて、多種類の食物繊維をとることが肝要です」
ちょい足しするだけでぐんとアップ!
「食物繊維を一度に大量にとろうとすると大変だし、長続きしません。“ちょい足し”習慣を身につけるのが成功の秘訣です」。
例えば、豆腐の味噌汁にわかめをプラスするなど、小さな積み重ねをコツコツ行う“ちりつも”が大切。同様に、白米に大麦を加えたり、ヨーグルトにきな粉を、サラダにはゆでた豆や大麦、ナッツをトッピングすれば、おいしく食物繊維が増量できます。
「おやつにりんごやプルーンを食べるなど、間食で取り入れるのもいい方法です」
いつものおかずやおやつに、食物繊維豊富な食材を足す習慣を。
イラスト/斎藤直樹(ベリーマッチデザイン) 取材・原文/山村浩子