近年、急速に研究が進み注目されている“レジスタントスターチ”について、大妻女子大学家政学部 食物学科教授の青江誠一郎先生にお伺いしました。重要なのは「加熱+冷ます」です!
お話を伺ったのは
青江誠一郎さん
Seiichiro Aoe
大妻女子大学家政学部 食物学科教授。日本食物繊維学会理事長。雪印乳業技術研究所研究員などを経て現職。近著に『最強! 毒出しごはん』(河出書房新社)
豆いも穀類(レジスタントスターチ)は「加熱+冷ます」が重要!
レジスタントスターチは糖質の一種ですが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の機能を兼ね備えています。
「特に、発酵するのがゆっくりなので、腸の奥のほうまで届き、直腸までしっかりアプローチして腸内環境を整えてくれることが大きな特徴です」。
多く含む食材は、いも類や豆類、穀類など。豆類は加熱することでレジスタントスターチが増え、じゃがいもやさつまいも、穀類は加熱によりいったん減りますが、冷ますと再び増えます。
寿司やポテトサラダなど“加熱後に冷ましたもの”はレジスタントスターチを効率よく摂取できる最強の料理なのです。
1食分の食物繊維、この量が目安!
食物繊維は1日にどのくらい摂取したらいいのでしょうか? 厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の摂取目標は18~64歳は女性が18g以上、男性21g以上。
「実はこの数値はかなり低く設定されており、さまざまな病気予防の効果を求めるなら理想は24g欲しいところです。しかし、現状は摂取目標に届いていないので、まずは1日18gを目指しましょう」。下の表は食物繊維が豊富な食材の1食当たりの含有量。
例えば「もち麦リゾット、なめこのおかず、アボカド半分」で約13.1gです。何をどのくらい食べたらいいのかの目安に!
もち麦やいんげん豆を使った料理なら、それだけで1日量クリア! やはり主食でとると効率がいいのですが、サラダにブロッコリーやアボカドを入れるなどの工夫をして、食物繊維アップを。
イラスト/斎藤直樹(ベリーマッチデザイン) 取材・原文/山村浩子