前回に引き続き、今回は夫婦とも会社員と会社員でおひとりさまの方に、特に注意すべきこと&取り組んでほしいことをファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんがアドバイス。前回と今回の状況などを考慮し、“自分の場合”に落とし込んで対策を探って。
教えてくれた人
山中伸枝さん
Nobue Yamanaka
ファイナンシャルプランナー。FP相談ねっと代表、一般社団法人公的保険アドバイザー協会理事。わかりやすい説明で、個人相談のほか講演会やメディアでも活躍。『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)『「なんとかなる」ではどうにもならない 定年後のお金の教科書』(クロスメディア・パブリッシング)など著書多数
会社員×会社員
恵まれた年金受給額をさらに増やす工夫を
「夫婦ともに厚生年金に加入しており、受け取れる年金額が多めなので、比較的安泰だと思います。定年延長などを利用して働き続け、年金受け取りを65歳以降に繰り下げれば、受給額が増えるのでさらに安心。
余剰資金がある場合は、夫婦それぞれiDeCoやつみたてNISAを利用し、老後資金を増やすのもおすすめです。気をつけたいのは退職金。
それで住宅ローンを完済などと考えている人もいるでしょうが、予想より少ない危険性も。早めに会社に確認すること」
●行いたいこと
- ●年金は繰り下げ受給を
- ●iDeCoやつみたてNISAを利用して資産を増やす
- ●退職金の予定額を確認
会社員 おひとりさま
何があっても生活できる術を確保
「最も心配なのは、病気やケガなどで収入が途絶えること。傷病手当金が出たとしても、長引けば生活は圧迫されます。それを補うべく、民間の医療保険や所得補償保険に入っておくのも一案です。
逆に、養うべき家族がいないなら、多額の死亡保障は必要ありません。なお、終の住処は老人ホームといった施設の可能性が高いと思います。
早めに入居費用などを調べ、年金だけでは足りないようなら、iDeCoやつみたてNISAなどを用いて、資金を準備したいもの」
●行いたいこと
- ●加入すべき保険を再検討
- ●終の住処の費用を調べ、資金を用意する
イラスト/サンダースタジオ 取材・原文/村上早苗