【言葉のワクチンを打ってくださった方(回答者)】
1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程満期退学。岐阜市立女子短大、金城学院大学短大部、桃山学院大学、福山市立大学を経て、福山市立大学名誉教授。アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者で、アイン・ランドの大ベストセラー『水源』『利己主義という気概』(ともにビジネス社)を翻訳。著書に『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』『馬鹿ブス貧乏な私たちが生きる新世界無秩序の愛と性』(すべてKKベストセラーズ)、『優しいあなたが不幸になりやすいのは世界が悪いのではなく自業自得なのだよ』(大和出版)、『ニーチェのふんどし』(秀和システム)などがある。
<49歳パート主婦のモヤモヤ>
結婚して20年ちょっとの主婦です。
私のモヤモヤはセックスについてです。
夫とセックスレスです。
きっかけは、育児に疲れ果てていた私が2度ほど拒否したこと。
あれから20年。以来、ず~っとセックスレスです。
今までは「そのほうがラク」くらいに思っていたのですが、私に変化が。
なぜか最近、性欲を感じるようになったのです。
「このまま老いていくのは寂しいかも」とか「他の人たちはセックスを楽しんできただろうに、私は気づけばこの年齢になってしまった」と焦っています。
<藤森かよこ先生があなたに打つ「本日の言葉のワクチン」>
セックスの相手、夫でなければダメですか?
必ずしもそうではなく、あなたがやりたいなら――すぐにやればいいんです。
「どこで、誰と?」と思いますか?
大丈夫、簡単です。今は、女性用風俗やマッチングアプリといった、便利な場所やツールがある時代。
マッチングアプリもカテゴリが細分化されていますから、アラフィフ用のアプリを利用すれば、きっとセックスできます。
セックスしたいだけなら、さっさと行動に移しましょう。
ただし、「性欲を解消したい」というよりも、今やこれからの人生に「華やぎが欲しい」ということなら、ちょっと話が変わってきます。
華やぎ、つまりそれって「ドキドキする恋愛がしたい」という願望ですよね。
そうなると、ハードルが上がるかもしれない。
というのも、日本の男って大人になってもガキのまんまでしょう(笑)?
大人の恋愛を楽しむ相手として、向いていない男が多いんですよ。
全然ときめかせてくれない。
日本では、大人の女としてときめきをなかなか得られないから、その意味では不幸よね。
焦る気持ちはわかりますよ。なぜなら、現代のアラフィフは「今も気持ちはギャル」という女性が多いから。
ここで言うギャルの意味は、気持ちも体も若い、ということ。
現代のアラフィフ女性は人類におけるアラフィフ史上最も「若い」と言っても過言ではないと思います。
だけど、社会の受け止め方がまだ旧態依然としていて、「アラフィフ=更年期前後の初老の女性」として、年齢にふさわしい「落ち着いた」ふるまいを求められる場面がある。
これについてはだんだん社会のほうも変わってくるはずですが、今この時に「ギャルの心」を持ち続けながらアラフィフ女性として生きているあなたや他の読者の皆さんが、自分自身の気持ちと社会から求められるアラフィフ像との狭間で揺れ動き、苦しくなるのは当然だと思います。
だからね、「他の人たちが楽しんでいる(セックスや恋愛)」というのは、実際のところあなたの思い込みなんですよ。
他の人たちも、おそらく、たいして楽しんできていません。
そもそも、他の人が楽しんでいるのかいないのかわからないことを、自分と比べても意味がありません。
あなたに足りないものがあるとすれば、勇気でしょう。
性欲があって、セックスがしたいのは、はしたなくもないし、それをかなえるのは難しいことでもありません。
ほんの少しの勇気を出して、行動に移す! それだけ!
(ただし、その体験は誰にも話さないこと。墓場まで持っていくこと。告白とか懺悔なんてガキのすることです。)
その先にある「ときめき」や「恋愛」については、別の問題として、またいつか考えていきましょうね。
取材・文/中沢明子 写真/Unsplash
★藤森かよこさんの最新刊!
〝なぜ藤森先生が健康本を書いたのか?〟。読めば、その答えに納得するはず。
★今後の人生の道しるべに!藤森かよこさんの著書
『ニーチェのふんどし』
★タイトルは衝撃的。だけどこの本を読むか読まないかで、女性の人生、今後の展開が変わるはず!
藤森かよこさんの大ヒット3部作