船旅で行く武家屋敷レストラン~千葉県・南房総 隠れ屋敷 典膳~
今回は船旅です。といっても行先は南房総。房総半島へは鉄道や車で行くことが多いと思いますが、こんな風に東京湾を船で行くと、別世界の旅気分を味わえます。久里浜から東京湾フェリーで金谷港へ渡る海の旅。海とカモメ越しに見る工場地帯の風景もダイナミック。
ランチは、南房総の真ん中あたり。千葉県が誇るブランド米「長狭米」の郷から山の方へとさらに進んだところにある、「秘境ごはんナンバーワン」と称される「隠れ屋敷 典膳」。くねくねした山道を上っていくと立派なお屋敷が見えてきます。古民家の武家屋敷風の一軒家に瓦屋根の門には「典膳」と看板が。戦国時代から江戸時代はじめに活躍した剣豪・御子神典膳の故郷の村ということで、その名が店名になっているそうです。
店内に入ると骨董品がずらりと並び、秘境感が漂いますが、実はこの料理店は、自然栽培で作物を作る自家農園の畑、果樹園、竹林、山を所有。そう、つまり地元の食材がいただける農家レストランなのです。
サラダのきゅうり、トマト、大根は無農薬無肥料の自然栽培で育てる自家農園のもの。山菜やタケノコは所有する山から調達します。
この場所にこだわって料理店をやっている理由のひとつが「水」。店から1.3㎞の御殿山奥に湧く「暗闇の水」を店先まで引き込んでいます。この水を浸かって作る名物の練豆腐「嶺岡豆腐(みねおかどうふ)」は、千葉県名産の落花生や胡麻、牛乳を使って練り上げていて、これが超もっちり濃厚、口に入れると、とろける美味しさなのです。
テーブルの上には、ドンと七輪が置かれていて、炭火でお狩場焼き風に串に刺さった肉や野菜を焼いていただきます。脂肪がつきにくいエサで育てた水郷鶏串1本と、もう1本は里見和豚串。この里見和豚は柔らかくて旨みと甘みが只物ではありません。海塩でいただくのもいいし、七輪の横にある壺には秘伝のたれがありまして、焼いてはつけて焼いては浸してとしながら芳ばしくするもよし。というわけで、噛むほどに旨みがじゅわっとしみ出してくるような鶏は塩で、甘味のある豚肉はたれで、と両方楽しみました。肉厚しいたけや、太くて甘いネギ、しし唐と、体をしっかり温めて、気を養う元気になる組み合わせですね。
山の中ですが、南房総・館山までご主人が仕入れに行く新鮮な魚介もあるんです。ランチにはお刺身付き。今日はイナダを野菜と一緒にバジルソースで。新鮮なお刺身はぷりぷりというか、弾力が本当にすごい。酸味の効いたソースがすごく合うオシャレな一品。
程よいころに登場するのは、千葉県産の山芋の麦とろ御飯。山芋は女性ホルモンをサポートするといわれる美肌食材。水溶性食物繊維が豊富なもち麦、押麦、裸麦の3種類が入っているこだわりの麦ごはんと一緒にいただくことで、食後の血糖の上昇を抑え、抗酸化力もサポートという、“アンチエイジングごはん”なんです。フルーツと梅ゼリーのデザートまでついた「丸山コース」は2500円。がっつり系に見える秘境ごはんは、実は栄養バランスのいい組み合わせ。こだわり農家が作る、とってもアンチエイジングな元気ごはんでもありました。
帰りのフェリーは夕陽に合わせて。まさか、房総からの帰りに、こんなに大きな海越しの富士山が見えるなんて、驚きと感動で大興奮。千葉県へ行くのに、横浜を通過して久里浜まで行くの?って一瞬思いましたが、この舩旅は価値あり!東京湾からの富士山は、死ぬまでに見たい日本百景(石井的基準)に認定したいと思います。
炭火焼 山海料理「隠れ屋敷 典膳(てんぜん)」
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tenzen/
*完全予約制(当日予約もOK)
東京湾フェリー
http://www.tokyowanferry.com/
石井宏子
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