夏から初秋にかけては、みょうがが活躍するシーズンですね。薬味として麺や豆腐、汁物に添えるほか、天ぷらにしても美味しい! 独特の香りがありますね。
ところで、みょうがにはどんな成分が含まれているのか、ご存じでしょうか?
昔からよく「みょうがを食べ過ぎると忘れっぽくなる……」などと言われますよね。古典落語にも、「宿の主人が旅人にみょうがを食べさせ、財布を忘れて帰らせようとしたが、逆に宿の勘定を忘れられてしまった」というオチの話があります。
なぜ、「物忘れがひどくなる」と言われるようになったのか、諸説あるようですが、そのひとつが「その昔、お釈迦様の弟子に物忘れがひどい僧侶がいて、その僧侶の死後、お墓からみょうがが生えてきた」という説だそうです。
確かに、みょうがの香りをかぐと、「物ごとを忘れさせてしまう香り」というのも、なんとなくわかる気がします。そして、まさにこの「みょうが好きにはたまらない独特の香り成分」であるα-ピネン(アルファピネン)こそが、みょうがの健康効果のもとなのだそうです。
聞き慣れない言葉ですが、α-ピネンには、胃液の分泌を促して食欲増進や消化促進に働きかける効果があるそうです。夏バテで食欲が落ちているときや、胃腸が弱っているときに嬉しいですね。
また、α-ピネンには脳の働きを活性化させる働きがあるとか。夏の暑さでボーッとした頭をすっきりさせてリフレッシュするのによいですね!
さらに、血行を促進して新陳代謝をあげる働きもあるそう。血液のめぐりを良くするということは、夏の冷房で手足のむくみが気になるときや、お肌のくすみ解消にもよいのではないでしょうか。身体を温めながら溜まった熱を排出するといったデトックス効果もあるそうです。
そして、みょうがにはα-ピネンのほか、カリウムも多く含まれています。カリウムは体内の余分な塩分を排出して血圧を安定させ、むくみを解消する働きを持っています。
薬味としてだけでなく、いろいろな料理に活用して下さいね。
今日は、好きな量を自分で調節してたっぷりいただける みょうがご飯を紹介します。
みょうがご飯
材料(作りやすい分量)
米……3カップ
もち麦……大さじ2
みょうが……5個
A だし汁……4カップ
A しょうゆ……50ml
A みりん……30ml
A 酒……20ml
作り方
①Aの調味料を鍋に入れて火にかける。一度沸騰させてから冷ましておく。
②炊飯器の釜(または土鍋など)に米ともち麦を入れ、冷ました①を加えて、通常のご飯を炊く要領で炊く。
③みょうがは斜め薄切りにし、水にさらしておく。
④②が炊き上がったら、③のみょうがの水気をよくきって混ぜる。