「食」のトレンド10
trend6 糖質オフ麺
実はイタリアも今は健康ブーム。ヴィーガン対応やグルテンフリーのパスタが増えています。とはいえ、イタリア人にとってのおいしさの基本は郷土料理の伝統をきちんと踏まえていること。糖質オフでもおいしいパスタのレシピをご紹介します。
羊のチーズとバターのコク、
黒こしょうの香りのインパクト
カッチョ・エ・ペペ
穀物由来の複雑で香ばしい香りのパスタに負けないパワフルなソースはローマの定番。熟成した羊のチーズは消化吸収されやすくヘルシー。
材料(2人分)
パスタ(ベースパスタ)…2袋 そら豆…10粒 にんにく…2片
野菜のだし(市販など、または水)…140㎖ バター…24g
ペコリーノチーズ…大さじ2 オリーブオイル…適量
塩・黒こしょう…各適量
作り方
1 鍋に4ℓの湯を沸かし、塩40gを加えてパスタをゆでる。そら豆はさやから出して薄皮をむき、パスタと同時に投入。硬めがよければ、パスタのゆで上がり5~10秒前に加える。
2 フライパンにオリーブオイルと包丁の背でつぶしたにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくがきつね色になったら、野菜のだしを加えて火を止める。
3 ゆで上がったパスタとそら豆を②のフライパンに入れて再び弱火にかけ、バターを加える。
4 火を止め、削ったペコリーノチーズを加えて混ぜ合わせる。皿に盛り、ペコリーノチーズ(分量外)をふり、黒こしょうをひく。
使ったのはコレ!
一食に必要な31種類の栄養素がすべて含まれ、同量の生パスタに比べて糖質は50%オフ。「ベースパスタ」¥650(145g)
次は鴨もも肉を使用したパスタをご紹介します。
米粉、鴨の脂、野菜の
3つの甘味と香りのハーモニー
鴨のラグービアンコ
米食の地、ピエモンテのパスタソースといえば鴨のラグー。鴨はベリー系ソースと相性がいいので、ベリーの香りのアサイーのパスタで。
材料(5人分)
パスタ(スーパークレンズパスタ〈アサイー〉)…700g 鴨もも肉…500g
玉ねぎ…50g にんじん・セロリ…各50g にんにく…2½片
ローリエ…2枚 マルサラ酒(または白ワイン)…50㎖ 塩・こしょう…適量
オリーブオイル…適量 パルメザンチーズ…適量 イタリアンパセリ…適量
作り方
1 鴨肉に塩、こしょうをして冷蔵庫で1時間休ませ、セロリ、玉ねぎ、にんじんとともに8㎜角のさいの目に切る。
2 フライパンにオリーブオイルと包丁の背でつぶしたにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくの香りが出てきたら、①のセロリ、玉ねぎ、にんじん、ローリエを加えて30分(できれば2時間半)炒める。
3 別の鍋にオリーブオイルを熱し、鴨肉を加えて中~強火で焼く。鴨肉が香ばしく焼けて色づいたら、②とマルサラ酒を加えてアルコール分をとばし、ひたひたの水を加えてひと煮立ちさせてアクを取る。弱火で1時間半煮込み、塩で味を調える。
4 鍋に4ℓの湯を沸かし、40gの塩を加えてパスタをゆでる。
5 ③を温め、ゆで上がったパスタを加えて弱火であえる。合わさったら火からはずし、パルメザンチーズ40g程度とオリーブオイル大さじ1、刻んだイタリアンパセリを加えて混ぜ合わせる。皿に盛り、パルメザンチーズとイタリアンパセリをふりかけてでき上がり。
使ったのはコレ!
国産米粉を使用し、レタス約5個分の食物繊維を含んだグルテンフリー生パスタ。「スーパークレンズパスタ〈アサイー〉」¥450(税込み・100g)
地方それぞれのおいしい味の方程式を提案
三軒茶屋の老舗イタリアンが2015年にリニューアル。20種類の手打ちパスタを中心に、イタリア全土の伝統的な郷土料理が楽しめます。
「機能性パスタとはいえ、パスタはパスタ。イタリアでは地方ごとにパスタとソースのおいしい組み合わせの定番というのがあるんです。例えばローマ地方ならトンナレッリとカッチョ・エ・ペペというように。そうした郷土の伝統を踏まえたメニューを提案しました」と今井シェフ。
今井和正シェフ
Kazumasa Imai
調理師学校卒業後、東京・広尾「イル・ブッテロ」「インカント」副料理長などを経て、2015年より三軒茶屋「ペペロッソ」総料理長。イタリア料理の根っこである伝統料理を踏まえつつ、イタリアの「今の味」を伝える伝道師
次回は注目の糖質オフのグルメバーガーをご紹介します。
撮影/田村浩章 取材・原文/和田紀子