日本遺産の包丁と炭火焼ランチ~島根県・安来市 ~
安来といえば、まず思い付くのは安来節とどじょうすくい。民俗芸能として今も保存会のみなさんが正しく楽しい安来節を守っていらっしゃいます。誰しもが楽しくなるどじょうすくいは、実は土壌すくいに由来しているとも言われています。その土壌とは、つまり砂鉄。砂鉄をすくう仕草が、どじょうをすくう格好に似ているということから芸能の元になったのだとか。安来から奥出雲の地域には大変良質な砂鉄が採れて、その砂鉄から鋼(はがね)を作る技術が日本の伝統的製鉄法「たたら」です。その「たたら」を取り巻く地域の文化や伝統は今も残り「出雲國たたら風土記」として日本遺産に認定されました。
そんな「たたら」の歴史を見られる和鋼(わこう)博物館へ行ってみました。日本遺産になった「たたら」の技法で今も作られている「ヤスキハガネ(安来鋼)」は、刃物の最高峰。和鋼博物館で展示物を見ていたら、学芸員さんから「マグロでいうと“トロ”の部分だけが刀や刃物になるんです。」とお聞きして、これは、なんとしても「日本遺産のヤスキハガネの包丁」をお土産に買って帰らなくちゃ、と思ってしまいました。
ちょうどよいことに、和鋼博物館にはヤスキハガネ製の刃物のショップがありました。
家庭でも手軽に使えそうなペティナイフなども揃っています。まさに、持ち帰れる日本遺産。家でのお料理も美味しくなりそうです。
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和鋼博物館へ行ったら、ぜひ立ち寄りたい旅ごはんのレストランがあります。博物館の2階にあるチャコールダイニング・安来グランパは、大きな窓から印象的な十神山と安来港が一望の絶景のロケーション。
カウンターの中には「たたら製鉄」をイメージした炭火が炊かれていてグリル料理がいただけます。食材は地元産のものが中心。炭火焼ランチセットは、東伯鶏、奥出雲豚肩ロース、牛フィレ肉からメインを選べるのですが、今日は地鶏の東伯鶏にしました。
ちょっと鉄っぽい雰囲気のお皿に乗った熱々グリル。地元安来のまちこ農園さんの野菜とともにいただきます。薬味のソースは、白味噌、八丁味噌、大根おろしとわさび、粒マスタードの他に、安来の名店「大正屋醤油店」の金山寺みそ。ちょっと甘みのある金山寺みそはカリッと芳ばしく焼き上がったジューシーな東伯鶏にぴったり。発酵調味料とたんぱく質の組み合わせに野菜のビタミン。体にもうれしい組み合わせです。
ごはんとパンが選べるのですが、奥出雲の仁多米だと聞いて、即決でごはんをセレクト。今では究極のオイシイお米といわれる仁多米が誕生したのも、実は日本遺産のたたら製鉄があったからこそ。砂鉄採取で山々を切り崩した跡地を広大な棚田へと整えた歴史があるのです。奥出雲の気候やミネラル豊富な土壌が、ふっくらもちもちの仁多米を作り出しているそうです。まさに、これも日本遺産のごちそうですね。
島根県・安来市 和鋼博物館
http://www.wakou-museum.gr.jp/
2階・チャコールダイニング 安来グランパ
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石井宏子
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