以前は糖尿病が気になる人以外は、あまり意識していなかった血糖値。ところが最近は、美と健康のため、「誰もが日常的に意識すべきもの」になっています。適正値を保つための食事法をしっかり身につけたいですね!
本連載では、血糖値コントロールがなぜ大切かを学んだ後、血糖値を適正に保つための食べ方7つのルールを伝授。さらに、朝、昼、晩で実践したい血糖値コントロールメニューをご紹介していきます!
今回お話を伺ったのは…
Zenji Makita
牧田善二さん
血液中の余分な糖が
肥満や老化の原因に
血糖値コントロール、すなわち「血液中の糖の量を適正に保つこと」が、なぜ美と健康のために大切なのでしょうか。長年、糖尿病専門医として、血糖値と向き合ってきた医師、牧田善二先生はその理由をこう答えます。
「血液中の糖の量が適正範囲を超えた高い数値になっているということは、処理しきれない余分な糖が血液中にあふれているということ。余分な糖は中性脂肪に形を変えて肥満の原因になるほか、細胞のタンパク質と結びついて糖化と呼ばれる現象を起こし、血管を硬くし、肌のたるみやくすみの原因になるなど、老化を促します」
血糖値の乱高下は
将来の重大な疾患に
さらに最近、健康への影響が心配されているのが、高血糖と低血糖を繰り返す「血糖値の乱高下」。
「食事をして血液中に糖が増えてくると、インスリンと呼ばれるホルモンが分泌され、糖を活動エネルギーとして使うために細胞に送り込んだり、消費しきれない分はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えたりして、血液中の糖を適正に保つように処理しています。しかし、糖度の高い食事で急激に大量の糖が血液中に増えてしまうと、糖を処理しなくてはと大量のインスリンが一気に分泌され、今度は逆に糖が少ない低血糖状態に。低血糖は頭痛や倦怠感といった症状につながります」
そして、こうした乱高下を繰り返すことで、インスリンを分泌する膵臓は疲弊し働きが衰え、糖尿病の原因にもなります。また、血糖値の乱高下によって体内では活性酸素が大量に発生。血管を傷つけて動脈硬化を進行させる、がんや認知症のリスクを高める、といった危険性が指摘されています。
血糖値のコントロールが美と健康のカギを握っていることがわかりましたね。糖質は、賢くとってコントロールすることが大切です。次回は、編集Yが挑戦した簡易血糖値測定器の結果をご報告!
撮影/鈴木正美 スタイリスト/駒井京子 構成・原文/瀬戸由美子