暑い夏を乗り切る・台湾の蓮料理と泥温泉
台北から新幹線に乗って南へ1時間半ほど。台中と高雄の中間くらいにある嘉義駅から車で40分ほどで関子嶺温泉へ到着します。台南市は豊かな農業地帯でもあり、関子嶺温泉のまわりは台湾のヘルシーフードがいっぱい。温泉地から山の上は、有機自然農法の珈琲農園が多数点在する東山珈琲のメッカだし、地上へ降りると蓮畑がどこまでも続く白河地区、そしてアップルマンゴーの産地・玉井地区。台南は自然のサイクルを大切にした「生態農場」という看板を掲げているところが多く、農薬を使わず、有機で、天然のミツバチ達が働いて作物が育っています。今回のヘルシーごはんの主役は「蓮」。今、まさに蓮の花が真っ盛り。農家のみなさんも大忙しです。
蓮の花は日の出とともに花開き、その花の美しいのはたったの3日。あとは芯の部分が残り、その中に蓮の実が育ちます。台湾では、蓮のあらゆる部分を美と健康の食材として活用します。花は乾燥させてお茶に。蓮の花茶は、血行促進と利尿作用があるといわれ、ダイエットサポートや台湾の熱い夏に欠かせない国民的飲み物です。
蓮の実は、花が終わった芯の部分が数週間で育ち、中の実が大きくなったものを収穫して取り出します。蓮の花公園の茶屋のおかあさん。80歳というのにこの元気!収穫した蓮の実を見せてくれました。
蓮の実は古くから滋養強壮、婦人病、造血などの生薬として薬膳料理にも用いられています。宿泊した関子嶺温泉の「景大渡假荘園(The King’s Garden Villa)」の名物、今が旬の生の蓮の実を使った「蓮料理」は、蓮の実、蓮根、蓮の花などが、炒めもの、スープ、ごはんなど様々な料理法で登場します。
蓮の実の味は百合根のようなトウモロコシのような、ほんのり甘くて栗のようにホクホクした食感。蓮の葉にくるまれてせいろ蒸しになった蓮の実ごはんは、いい香りがしてしっとりもちもち、栗ごはんとチャーハンを一緒にいただいているような、何とも幸せな美味しさです。蓮根、蓮の実は、カリウム、鉄、亜鉛などミネラルが豊富、美肌サポートのビタミンCと鉄分の吸収を助けるB12を含み、イキイキと夏を乗り切るための知恵が詰まったヘルシーごはんです。
景大渡假荘園(The King’s Garden Villa)はコロニアル調の荘園をイメージした温泉リゾートです。関子嶺温泉街から少し離れた高台にあってちょっと隠れ家風。
ヴィラの中はそれぞれ異なるインテリアですが、わたしの宿泊したお部屋はスイートタイプ。リビングの奥はベッドルームです。
お宿はそんなに大きくないのですが、奥の温泉エリアがすごくてびっくり。男女別で日本の温泉のように裸でゆったり入れる大浴場や、たくさんの種類の湯船が点在するスパエリア、プールなどもあります。
関子嶺温泉はとても珍しい天然の泥湯。源泉がすでに泥状になって湧出しています。この温泉に含まれる泥を集めたものが湯船の近くにあり、顔や全身にパックして入浴したり休憩したりします。塩と炭酸水素ナトリウム、ヨード、有機物など地球のミネラルがぎっしり、ものすごーく温まって爆発的に発汗します。さらに、この泥の75%はメタけい酸だそうで、肌に水分を運び美肌をサポートするうれしい温泉成分なのです。
部屋専用の温泉で泥湯の美肌湯をかけ流しで楽しむこともできます。何度でも入りたくなる滑らかさ。1泊の滞在でしたが、蓮のパワーと泥湯温泉でつるんとしたピカピカの艶肌になれました。
台湾・関子嶺温泉
景大渡假荘園(The King’s Garden Villa)
石井宏子
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