五感で愉しむリゾートごはん
日常を離れて、ちょっと一晩、行方不明になりたくなることってありますよね。「一晩だけ旅にでます。探さないでください」そんな時は、プライベート感のあるヴィラタイプの一軒家に泊れる温泉宿がおすすめです。別荘のようなお部屋の外には専用の露天風呂。自分だけのために用意されたかけ流しの温泉に、好きな時に何度でも入ってのんびりできるなんて、それだけで、もう何にもいらないという気分。阿蘇の大草原の真ん中にある瀬の本温泉は、大地のミネラルを感じる薄濁りの温泉。肌に潤いを運ぶメタけい酸も豊富な弱アルカリ性の単純温泉。肌すべすべと保湿の両方が叶う美肌温泉です。
リゾートの夜ごはんは、演出が楽しい食事。たとえば、お造り。“界 阿蘇流”のお造りはまるでスイーツのような盛り付けででてきました。添えられたカードには、お魚の名前と、どんな味付けになっているかが書かれています。ひとつひとつ、食材とソースの味を目と舌で確かめながらいただくお料理は、五感を刺激してくれます。
次にでてきた、揚げ物にびっくり。「揚げ出しとまと」です。まわりは熱々でサクサク。さっと揚げて、中はわざとヒンヤリ感を残した生のトマト。
メイン料理は「鮑と和牛のともしゃぶしゃぶ」。野菜やきのこをたっぷり入れて、ぷりぷりとした歯ごたえの鮑を楽しんだら、とろけるような牛肉をいただく。この異なる食感が楽しい!そして未知の世界の味わいだったのは、牛肉に鮑の肝ソースをつけると抜群に合うということ。
食後は暖炉のともるラウンジで、凍らせた焼酎と野菜チップス。いい気分で部屋に帰ると、温泉の横にタイマツが焚かれていて幻想的な雰囲気。秋の夜は長いのです。瀬の本高原はすっかり秋の気配。虫の声を聞きながら夜の温泉で、静かな時間が過ぎて行きます。思い切ってリゾートへ出かけてよかった、と思えるひと時でした。
翌朝は、阿蘇のカルデラに雲海がでていました。雲のじゅうたんに浮かぶ阿蘇五岳。五感を刺激する旅は、脳内ホルモンを活性化してとっても“アンチエイジング”。一晩で心も体もすっかりデトックスできる温泉旅でした。
大分県・瀬の本温泉
星野リゾート 界 阿蘇
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石井宏子
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