つけものマジックでカンタン料理
こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。
ビタミンやミネラル、食物繊維など、美や健康をつくる栄養たっぷりの野菜は、誰にとっても必要なもの。一週間に一度、まとめて取ればいいというものではなく、毎日しっかり食べたいものです。
とはいえ、忙しいと手をかけた野菜料理を作るのはたいへんだし、そもそも買いものする時間すらないことも。
だから、「冷蔵庫にあるものでチャチャッと作れるレシピを紹介しよう」というのが、8年前、私がブログを立ち上げたきっかけでもありました。
でも、本当のことを言うと、野菜料理はそもそもがカンタンなものなのです。
肉や魚の料理なら生焼けだったら大問題。ところが野菜ならもともとが生で食べられるものだから、多少加熱が足りなくてもそれはそれ。シャキシャキした食感が逆においしかったりします。
逆に加熱しすぎは肉や魚料理だと味や風味を落とすことも。うっかり煮すぎて繊維が固くなってしまったり、食感がボソボソになってしまうこともありますが、野菜の煮込みなら煮れば煮るほどとろけるほどおいしい。お鍋が勝手に調理してくれるのだから最高です。
お鍋にまかせて放っておくだけの料理なら、煮もののほかに野菜のステーキもいいですね。うちでは半分に切っただけの玉ねぎや、分厚い輪切りにしただいこん、人参などなら丸のまま。オリーブオイルかごま油を熱したフライパンに並べ、塩を少し強めに振って蓋をして弱火でじっくりじっくり。時間が許せば30~40分蒸し焼きすれば、ビックリするくらい甘くておいしい野菜ステーキになるのです。
お鍋と時間が勝手においしくしてくれるのだから、野菜料理は実は料理が苦手な人にこそ向いているのでは、と思えます。
お鍋にまかせておく時間もない、という時ももちろんありますね。帰宅してすぐに食べたい。腹ぺこの家族に早く出したい。ちょっとしたおつまみを作りたい、など。
そんなときは材料をザクザク切ってあとはチャチャッと炒めるだけ、サッと蒸すだけの炒めものや蒸しものの出番です。
塩やしょうゆ、みそ、みりんなど、基本的な調味料で味をつけるだけでもいいですし、味つけに自信がない人や、とにかく時間がないときに、頼りになる素材があるのです。
それはつけもの。
高菜漬け、野沢菜漬けなどと野菜を炒めてもおいしいですし、たくわんやしば漬けもいいですね。中華風の野菜炒めなら味つけザーサイもおすすめです。
たとえばこちらはざく切りの白菜ときざんだしば漬けをごま油で炒め、少量の酒を振っただけのカンタンなひと皿。白菜は2枚ほど、しば漬けは大さじ2くらい、酒も大さじ2くらいが目安の量ですが、味が物足りなければしょうゆを少々。塩分を控えたいなら酢を小さじ1~2ほど入れて炒めると、味に深みが出ておいしくなるのです。
同じく白菜のざく切りと、つけものの種類をかえて高菜をごま油で炒め、胡麻をたっぷりふるのもいいし、ザーサイとざく切りの切り干しを加え、サッと炒めた白菜もおいしい。白菜とたくわんの炒めもの、野菜を変えてキャベツ野沢菜の焼きそば、細切りのごぼうとにんじんのきんぴらにみじん切りのたくわんを混ぜるなど。つけものが入ると野菜炒めの味がピタッと決まるから大助かりです。
短時間の蒸し煮や蒸し焼きもつけものがあればラクラクです。
こちらは角切りの野菜と瓶詰めの味つけザーサイをサッと蒸しただけのお総菜。じゃがいも1個とにんじん1/3本を角切り、さやいんげん1袋を食べやすく切り、粗みじん切りの味つけザーサイ30gほど、少々のしょうゆとごま油、酒少々を鍋にいれて蓋をして火にかけ、蒸し煮にすればできあがり。
ザーサイならほかにもやしと蒸し煮したり、細切りキャベツ、ピーマンなどもよく合います。
紅生姜もつけものの仲間と考えれば、薄切りの玉ねぎとサッと蒸したり、角切りのれんこんやだいこんなどの根菜と蒸し煮にし、しょうゆを少々まわしかけてもさっぱりしていいですね。
奈良漬けなど、味の濃いめのおつけものが残ってしまったら、ごぼうなどと蒸し煮にするとごはんによく合うおかずになります。
忙しい方、時間のない日の味方、つけものをぜひ使ってみてくださいね。
庄司いずみ
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