器の里でみつけた韓国流ヘルシーごはん~長崎県・波佐見町~
お気に入りの器との出会いは、とても心トキメク瞬間です。ずっと行ってみたいと思っていた陶磁器の里・長崎県波佐見町で、女性のためのキレイになる旅の企画があるというので、参加してみました。波佐見町は、つるつる美肌湯の嬉野温泉と焼き物の里として有名な有田の間に位置します。山を挟んで、陶磁器の集落と棚田が広がる農村地帯があり、まさしく美味しいものとそれをいただくステキな器が手に入る幸せな場所なのです。波佐見焼の窯元が点在する中尾山を散策し、波佐見焼のギャラリー巡り。
ポップな色の小皿やカップに心弾む「西山」。
「アイユー」のギャラリーは以前の作業場を改装した吹き抜けの空間が古民家カフェのような雰囲気。いくつかのギャラリーを巡り、一目惚れした器を、直販ならではの価格で手に入れることができました。
ランチは、韓国料理の薬膳がいただけるという「おんや」へ。韓国人のキムさんが波佐見の野菜でつくる薬膳料理。化学調味料を使わず、全て手作り。味付けは塩や味噌といったシンプルなもの。
波佐見焼のプレートに盛られたおかず、ひとつひとつが優しくてしみじみと素材の美味しさを感じられるもの。スープは白きくらげ。きくらげは楊貴妃にも愛された漢方食材でもあり、特に白きくらげは、体内の保水力が高まる“食べるヒアルロン酸”とも呼ばれている美肌食材。体の毒素を出してくれる蒸しかぼちゃと小豆の組合せ。小豆には白黒ゴマとハチミツが隠し味。ごはんは雑穀米。韓国料理ですからお漬物はキムチ。これもキムさんのお手製で、味の決め手は生姜とニンニクそして、唐辛子のバランス。今回は漬けたてのフレッシュなものをいただきました。生姜などの香辛料が爽やかに感じられてサラダ感覚。キムチに生姜がたくさん使われるというのも新鮮な発見でした。キムチは日にちが経過してなじんでいくと発酵して酸味が効いてきて、料理などに使うのに適しているそうです。
おかずはマクロビ的なスローフード。素材の組み合わせも面白く、味の濃いほうれん草のマリネは春の香りの空豆と甘酸っぱい白レーズンがアクセント。豆腐の上にはお手製の蕗味噌、その上にソテーしたきのこ。
干し大根と赤貝のきんぴら風は甘辛でごはんの供にぴったり。美味しさに目を見張ったのは蓮根餅。蓮根をたたいてナッツと小麦粉を少し混ぜてこめ油で焼き上げたもの。味付けは塩だけだそうですが、パリパリもちもちサクサク。ナッツの芳ばしさと蓮根のねっとりした甘味が絶妙。
キムさんがテーブルを回って薬膳の美容効果や作り方のレシピを話してくださいました。
体にいいものにこだわり、油は全て「こめ油」を使っているとか。これも目からウロコでした。最近、よい油を適量とる方が美と健康によいということが解ってきて、油の種類や質にこだわる方が増えてきました。韓国人のキムさんが着目したのは、日本国産の“こめ油”。こめ油は、米糠からつくられるもので、ビタミンEとγ―オリザノールが豊富。抗酸化作用が高く、更年期障害などの自律神経系の悩みにも有効と言われるアンチエイジングな油です。波佐見町の野菜を使い、日本と韓国が出会った薬膳料理は、まさにここだけのもの。旅ならではの美人食の発見でした。
石井宏子
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