塩抜きダイエット実践編、塩抜きでもおいしい料理を作るには
こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。
昨年秋に書いたコラム、『たった2日の塩抜きで2㎏も痩せた話』が思わぬ反響で……。
私の料理教室などでも「やり方が知りたい!」という声がとても多いのです。
やり方といっても、”塩抜き”という言葉通り。一定期間、すべての料理から塩分を抜く。ただそれだけなのです。
厳密には海藻類など、植物性の食材にもナトリウムは含まれ、わかめや焼き海苔などもとりすぎないほうが塩抜き効果は高いのかもしれませんが、私はそこまで気にしません。
「塩やしょうゆ、みそ、ソースなど、塩分を含んだ調味料は一切つかわない」ことだけが唯一のルール。
私自身はベジタリアンなので、塩抜き期間中ももちろん植物性オンリー。野菜やきのこ、海藻、豆類、ごはんなどをしっかり食べて過ごします。
塩分を減らす、カットするという意味だけなら、肉や魚を食べてもいいのかもしれませんが、野菜には余分な塩分を体から追い出すカリウムが豊富。
今まで体にため込んでいた塩分まで追い出してくれるから、よりスピーディにむくみがとれたり、体がスッキリするというわけです。
ただし、前回のコラムにも書きましたが、体にとって塩は必要なものなので「最大に続けても3日が限度」と聞きました。
私の場合は2日で2㎏減、体調もよかった。
そこから考えてもやはり2~3日のプチ塩抜き、働いている方、忙しい方にとっても週末2日くらいがちょうどいい期間なのではと思います。
前回のコラムで書いた塩抜きは、昨年9月頃に実行したときのこと。その後定期的にやっていえるかというと……。
一ヶ月くらい過ぎた頃「ちょっとむくんできたかな」と感じたのですが、ちょうど撮影続きの頃だったので2日の塩抜きは到底無理。
なので、昼間撮影で食べ過ぎた時は、”夜1食だけ塩抜き”を時々実行したり、年明けにお正月太りが気になった時は、一日だけの”ワンデー塩抜き”を実行したり。
本当に適当なやり方なのですが、たとえ1食や1日だけでも、むくみはすぐにとれ、体がスッキリします。
2日キッチリやった時ほど劇的な体重減の効果は出ませんが、ごく短期間の塩抜きでも体のリセットにはいいようです。
さて、やり方が知りたいという声とともに多いのが、「おいしくないでしょ」という意見。
みなさんが心配されるのは「まずかったら辛くて続かない!」ということのようです。
でも、よく考えると焼き芋だって甘栗だって、茹でたとうもろこしだって、甘みのある素材なら塩なしでもおいしく食べられますし、フルーツは塩を使わないのが普通
むくみが気になるときは、朝はフルーツの盛り合わせ、昼はやきいも。これでもいいのです。
「それじゃ物足りない。おかずっぽいものが食べたい!」。そんな人は調理にひと工夫。
今日は特別に、塩抜きでもおいしい料理を作るコツのうち、とびきりの秘策を紹介しますね。
その秘策とは……。それは調理に水を使わないことなのです。
たとえばこれは、ザクザク切ったかんぴょうを大根おろしでサッと煮て、レモンを少々ふっただけのおかず。
大根おろしで素材を煮る方法をおろし煮とかみぞれ煮と言いますが、だし汁や水、スープなどで素材を煮、大根おろしを加える方法で作ると、素材のうまみや甘みが水分に溶け出してしまい、味が薄まってしまうため、どうしても塩やしょうゆを使いたくなります。
が、水を加えず、大根おろしの水分だけで素材を煮ると、味付けなんていりません。
素材から出たうまみを大根おろしの甘みがうまくまとめてくれるので、一滴のおしょうゆ、ひとつまみの塩すらなくても、十分おいしく仕上がるのです。
こちらはキャベツとしめじの蒸し焼きですが、これにも水は使いません。
ざく切りのキャベツを厚手の鍋に入れ、たっぷりのほぐしたしめじを上に乗せ、ほんの少々の酒と気持ち多めのオリーブオイル、そしてカレー粉を振って蓋をします。あとはひたすらじっくりじっくり。10分ほども蒸し焼きして仕上げるのです。
途中焦げないように数回かき混ぜますが、キャベツやしめじから水分が出るから弱火なら焦げ付くことはないし、水を加えないからキャベツがごく甘! 芯のところも、ぽくぽくの食感と甘みが最高。さらにカレー粉の力でパンチのあるおかずになるのです。
ただし、カレー粉などのブレンドスパイスは、塩があらかじめ入っているものもあるから、買う時にチェックするといいですね。
こちらも水を使わないおすすめおかず。
ざく切りのキャベツ3枚ほどと水煮のキドニービーンズ50gをオリーブオイルで炒め、バルサミコ酢大さじ1、カットトマト缶大さじ2を加え、酸味が飛ぶまでしっかり炒めたおかずです。
バルサミコ酢はうまみが強く、しっかり加熱するほど味が深まるので、塩抜きクッキングにはおすすめの素材のひとつ。
また、トマトはグルタミン酸といううまみ成分が多いので、トマトを加えると塩抜きでもおいしく仕上がる魔法の素材。調味料感覚で使うといいですよ。
ご紹介した3品は、味付けをしたふつうのおかずに混じっていても、違和感なく食べられるほどおいしい。
塩抜きレシピ研究は続けているので、無水クッキング以外のおすすめテクニックはいずれご紹介します。お楽しみに!
庄司いずみ
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