その土地で育つ“種”のあるものをいただく~沖縄県・金武町~
那覇から北へ向かい金武町へ。ビューティ・ツーリズムを専門分野として研究するわたしに「ぜひ、食べてもらいたい料理がある」と、沖縄の友人が連れて行ってくれた場所。案内板もなく、宣伝もしていないので、初めて来るときには、本当にここにあるの?と、ちょっとドキドキします。細い坂道を登り、この辺かな?と、よーくみると小さな「Café がらまんじゃく」の看板が出ているのを見つけることができます。
山城さんの表札が出た門を入り石段を登ると、元気いっぱいに繁る野草たちのお庭。その奥に沖縄らしい赤瓦屋根の民家の玄関が見えてきます。
「いらっしゃい。どうぞ好きなところに座って。」と、迎えてくれたのは店主の山城清子さん。店内はまさに沖縄のお家。ほっと落ち着ける癒しの風が漂っています。
メニューをひらくと、目に飛びこんできたのはこんな文字。ごはんは命です。の言葉が心に響きます。
清子さんは首里の出身で、琉球王朝時代の宮廷で御殿医が記した食養の記録の文献を研究し、本当に美味しくて体に必要なものをいただく食事を探究しつづけている方でした。清子さんとお話しして印象的だった言葉は、「種のあるものをいただく。これが食養なのよ。」ということ。種があるものは、必ず、また命を生み出す。つまり、本当に命があるものというのは、同じものをまた生み出す力があるということ、そういう命の力があるものをいただくからこそ滋養になるというわけです。なるほど!
そして、沖縄に育つものを沖縄の風土でいただくということも大切。そう考えているうちに、原種の薬草に至り、今や手に入りにくい原種にかぎりなく近い薬草や野菜を自ら育てているので、お庭は薬草の宝庫。
長寿定食1,600円は、デトックス薬草ジュースから始まります。琉球王朝時代から滋養や胃腸を整えるために活用された薬草、フーチバー(沖縄よもぎ)、ニガナ(ほそばわだん)、いーちょーばー(フェンネル)、さくな(長命草)などにバナナやシークワーサー、黒砂糖などが入っているので爽やかで甘味もあってすごく美味しい!さくな(長命草)は沖縄の島ハーブの中でも特に栄養バランスが優秀で、プルーンの6倍もの鉄分、カルシウム、β-カロテン、ポリフェノール、ビタミンA,B、食物繊維も豊富。
運ばれてきただけで、顔がほころんでしまうカラフルなお料理。組み換え、交配をしていない原種に近い野菜や薬草、沖縄古来の野菜をひとつひとつ丁寧に調理したお料理は感動的。月桃の葉に盛られているのも沖縄を感じさせます。右下の白い芋は沖縄野菜の“はりいも”、ほっくりとした食感でさっぱりとした味わい。じゃがいもと里芋の間のような感じ。ゴーヤーは味噌と生姜が効いてます。左下の小皿は野菜に薬草味噌をディップのようにしていただく一品。もちろん、お味噌も自家製。ごはんは玄米と薬草を一緒に炊き込んだ色の美しい米飯がアクセント。このセンス、すっごく素敵です。
食後は薬草茶。大きな急須の中身を見せていただくと、こんなに沢山の種類の薬草がぎっしり。全てお庭で育てた原種ハーブです。
Café がらまんじゃく
http://garamanjyaku.ti-da.net/
*料理が無くなり次第終了。お休みもあるので行くときは電話で確認してください。
石井宏子
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