今、世界で注目の「TOFU」
そのまま生で食べてもおいしくて、火を入れて、調理してもまたおいしい。豆腐は合わせる素材を選ばない柔軟さと和・洋・中すべての料理に変身してみせる多様性があり、市販の大豆や豆乳から自分で作ることだってできるのです。
栄養価も抜群で、コレステロール値の低下、老化防止、更年期症状の軽減、美容やダイエットにもいい。まるで、世界を救うスーパーマンのような存在です。となれば世界中で人気になるのも納得!
古くは唐から伝えられ、奈良時代から長い長い間日本人に愛され続けてきた豆腐。
今回からシリーズ「豆腐の実力」で豆腐の効果とレシピをご紹介します。
先人の知恵に感謝しつつ、おいしくいただきましょう!
あなたは、もめん派? 絹ごし派?
ほどよいかたさと、しっかりした口当たりのもめん豆腐。やわらかくなめらかな食感の絹ごし豆腐。あなたはどちらがお好みですか?
もめん豆腐
熱い豆乳ににがりを加え、ゆるく固まったおぼろ豆腐を、木綿の布が敷かれた穴のある型に入れて重しをし、水分を絞りながら固めたのが、もめん豆腐。木綿の布目が表面にそのままつき、素朴な風味があり、舌触りが粗いのが特徴です。
ほどよいかたさがあり、水分は少なめなので扱いやすく、冷ややっこはもちろん、鍋物、田楽、炒め物、あえ物、ステーキなど、どんな料理にも向きます。製造過程で水分を絞るため、栄養分が凝縮されています。タンパク質やカルシウム、鉄分が絹ごしに比べて多い半面、ビタミンB群やカリウムは水分と一緒に流出するため、少なくなっています。
絹ごし豆腐
熱い豆乳に凝固剤を加え、そのまま型で固めたもの。型箱に穴はなく、布を敷くこともなく、重しもしません。もめん豆腐よりも、濃厚な豆乳を使います。なめらかできめ細かな仕上がりのため、もめんに対して、「絹ごし」と名付けられました。
重しをしないので、水分の流出がなく、ビタミンB群やカリウムはもめん豆腐より豊富。やわらかでつるんとした口当たりに、「冷ややっこや湯豆腐は絹ごし」という方も多いでしょう。
水きりをしっかりすれば、焼いたり炒めたりする料理にも使えます。簡単にクリーム状になるのでディップにしたり、ババロアなどのデザートにも使えます。
豆腐の仲間、次ページでも、もっとご紹介!
豆腐には味も形もいろいろあります
焼き豆腐
もめん豆腐の水をきり、炭火やガスなどで焼いて焼き目をつけたもの。くずれにくく、味がしみやすいため、すき焼きや鍋物、煮物、田楽、ステーキなどに使われます。あえ物には不向きです。
おぼろ豆腐
豆乳に凝固剤を加え、ふわりと固まったらすくい取り、容器に入れたもの。くみ豆腐、寄せ豆腐とも呼ばれます。とろけるようなやわらかさが人気。そのまますくって、しょうゆや塩、オリーブオイルをかけて。電子レンジで温めれば、豊かな香りと、ほのかな甘みが感じられます。
充てん豆腐
パックやチューブ状の袋に、豆乳と凝固剤を入れて密封したあと加熱し、凝固させた豆腐。濃い豆乳を使い、水にさらさないので、ビタミンB群が豊富。 密封後に加熱しているため、保存期間がやや長いのが特徴。絹ごしと同じ味わいと食感です。
ザル豆腐
にがりなどの凝固剤を加えて固めた豆腐(おぼろ豆腐)を、そのままザルですくい、自然に水をきったもの。おぼろ豆腐より水分が少ない分、味は濃厚。食感はもめん豆腐よりはやわらかく、その風情に、ここ数年、お取り寄せなどで人気が高まっています。塩やしょうゆだけでシンプルに味わいたい豆腐です。
変わり豆腐
刻んだ枝豆や柚子などを豆乳に加えて固めたのが、変わり豆腐。枝豆の粒々感や、柚子独特の香りで人気を博しています。豆乳自体を枝豆で作ったものもあります。こちらは枝豆そのものの味を楽しめます。最近は、トマト、かぼちゃ、にんじん、ごまなどを加えたものも登場。楽しんで食べられる変化球ですね。
すぐに新しい水につけよう。水を替えれば保存できます
パックをあけた豆腐は、かぶるくらいの水とともに密閉容器に入れます。2 日以上保存する場合は、一度熱湯をくぐらせます。十分に冷ましたら、上記のようにして冷蔵庫で保存します。水は毎日とりかえて。冬ならこれで3 日間ほど保存可。
次回は豆腐の材料についてご紹介します。