長崎県・小浜温泉 地球のパワーで調理する
青い海、青い空に真っ白な温泉の湯煙が印象的な小浜温泉は、長崎県・島原半島の中程にあり、90℃以上の熱々温泉が湧出する温泉地です。湯量も豊富であちこちから白い湯煙が立ち上る「源泉」があります。日本の温泉の中でも屈指の熱量をもつ小浜温泉は入浴だけでなく、古くから蒸し料理など生活にも使われてきました。入浴だけでは使いきれない大量の温泉を活用して、温泉熱エネルギー発電実験や、天然塩つくり、夕陽を眺める日本一長い足湯なども作られました。
今回ご紹介したい“キレイになるごはん”は、温泉の熱々蒸気を使って作る「蒸し釜料理」です。足湯のある海浜公園にも蒸し釜があって楽しめるのですが、この3月に温泉蒸し釜料理のお店「海鮮市場 蒸し釜や」がオープン、さっそく出かけてきました。
店の入口にはもうもうと湯煙が立ち上る蒸し釜が14基。目の前の海で獲れる新鮮な海鮮や地元の野菜などが並ぶ店内で蒸したい食材を物色。小浜温泉街にある蒲鉾やさんの練り製品もこの蒸し釜で調理するとぷりっぷり。ヘルシーごはんのおすすめは、春を感じる地元のきゃべつがぎっしり入ったセイロ蒸し。蒸し釜へはお店の人が一緒に出し入れをしてくれて、最適な蒸し時間をタイマーで知らせてもらえます。待っている間に、まずは、新鮮なお魚の活き造りをいただきました。
ミネラル豊かな島原の海の魚は味も旨味もしっかり。驚きの弾力が鮮度を物語っています。「良質なたんぱく質は美肌のためにも欠かせないわ」などと語りながら、アッという間にお魚が無くなっていきます。そして、タイマーのベルが鳴り、いよいよ熱々の蒸し料理の登場です。
小浜温泉の泉質は、ナトリウム-塩化物泉。源泉をそのまま味わってみると、本当に美味しい出し汁のよう、まさに絶妙の塩加減です。この地球がくれた絶品の調味料で、しかも地球のパワーだけで蒸し上げるのですから、究極のナチュラル料理というわけです。高温で一気に蒸し上げた食材は、甘味が引き立ち、旨味がぎゅーっと凝縮。豚肉はふわふわの柔らかさ、そして春キャベツの甘いこと甘いこと・・・。
蒸し釜料理でお腹がいっぱいになったら、小浜温泉街をお散歩です。温泉街の細い路地を曲り、急な坂道を登っていくと海景色を見渡せる刈水地区へ到着します。
ここに古くからあった民家を改装してオープンした「刈水庵」は1階がギャラリー、2階が喫茶。ほっと落ち着ける空間でいただくコーヒーは格別です。
長崎県・小浜温泉
海鮮市場 蒸し釜や ☎0957-75-0077
石井宏子
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