イタリアを旅してきました。ミラノからローマへとトスカーナ地方を南下。イタリアをゆっくり旅すると、地域によって好んで食べられている料理やパスタの種類やソースが違うことがわかっておもしろい。
今回の旅で印象的だったのは「Pici」(ピチ)という超太麺のパスタ。トスカーナ地方でも特にシエーナ周辺で好んで食べられているソウルフード的なパスタ。原型は小麦粉と水だけで、手でこねて丸くして作られるそうです。たとえて言うと「手こねうどん」みたいな感じ。
ほら。見た目もスパゲッティというよりは、うどんのようです。絡めているソースは唐辛子の辛味がいいアクセントのシンプルなトマトソース。でもこれが、しっかりと太麺に絡んで染み込んで何とも言えずオイシイ。もちもちの食感と弾力が、なんだかお餅みたいで懐かしい。イタリアのパスタは“アルデンテ”で茹で立て出来立てをいただく、というのがお約束ですが、この「ピチ」だけは別格。ゆっくり時間をかけて茹で上げて、ゆっくりモチモチ感を楽しんで食べてもいい、いわばスローなパスタなんです。
トマトソースのパスタは、実はとてもアンチエイジング。トマトの栄養素の代表格「リコピン」は、抗酸化作用で錆びない体つくりをサポート。オリーブオイルと一緒に食べるとリコピンの吸収率が高くなり、さらに、加熱して食べた方がリコピンの吸収率が倍増するそうです。つまり、トマトソースをたっぷり絡めていただく「ピチ」は、アンチエイジングに役立ってくれるというわけです。
イタリアでは観光地のお店でも昼休みがあります。だいたい2時間ぐらい、ショップの入口は鍵が掛かって閉まり、また3時ごろ再開します。そのくらい、お昼ごはんはゆっくり大切な時間。この日も小さな村のレストランでゆったりランチ。
前菜はサーモンとクリームチーズのブルスケッタと蛸とオリーブの柔らか煮。蛸が本当に本当に柔らかくてオリーブの酸味と旨みで、白ワインが進みます。
サラダの野菜がイキイキ。オーガニック自然栽培が常識のトスカーナ地方はルッコラの味も香りもすごく強い。オリーブオイルと塩だけでも、もりもりいただけてしまいます。
いろいろな種類の小魚を丸ごとフリットに。自然な塩味とレモンだけで、もうご馳走です。
シエーナの街でみつけた「Pici」。黄色っぽい方は卵入り。小麦粉と水だけのピチと卵を入れてこねるピチは、家庭によって違うようで、地元の人たちの好みも、モチモチ感が際立つ水だけ派とふっくら優しい味わいの卵入り派に分かれるのだそうです。
石井宏子
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