今世紀は「腸の時代」!" 腸"がこれからの美と健康を大きく左右するといわれています。今回は、羽田美智子さんが、腸内細菌の世界的権威、辨野義己(べんのよしみ)先生からOurAge世代に向けた快便にまつわる"腸にいい話"を教えていただきました。
"うんちは体からの便り"と先生。メッセージをしっかりと読み取って若さと健康寿命を手に入れましょう。
うんち博士・辨野 義己先生に教わりました
健康・長寿・若さのカギ!
「快便」ライフの送り方
「快便ライフ」を送るために知っておきたいこと
快便のためにぜひ身につけたいのがうんちを「作る力」「育てる力」「出す力」。まずは自分の腸年齢やいいうんちについて把握して、食生活と運動を見直しましょう。
ここでは、前回と今回で「快便ライフ」のために知っておきたい4つのことをご紹介します。
今回は、3.食物繊維を含む食品を基本に発酵食品を取り入れる、4.うんちを出す力をアップするための腸腰筋を鍛える、についてです。
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食物繊維をたっぷり含む食品を基本に、
日本固有の発酵食品も取り入れて
いいうんちを出すためには食物繊維をしっかりとることが大切です。野菜やきのこ類、ひじきやわかめなどの海藻類は、ヒトの消化酵素では分解できないもの。だから大腸へ移動してうんちとなるわけです。「消化できない食物繊維は、腸内細菌のエサになります。そのときに善玉菌が増えやすくなるのです」と辨野先生。目安は1日350g。肉料理が多くなりがちな現代の食生活には、肉1に対して野菜3を目安に、たっぷりとるように心がけて。
4
腸腰筋を鍛えて
うんちを出す力をアップさせよう
いくら食物繊維をしっかりとっても、うんちを出す力が弱くてはダメ。加齢とともにこの力が弱くなってくるので、エクササイズと朝食前の10分のウォーキングを取り入れて、お腹のあたりにあるインナーマッスルを鍛えましょう。骨盤からお尻に渡っている「腸骨筋」、背骨から足の付け根に渡っている「大腰筋」、両方を合わせて「腸腰筋」と呼びます。ここを鍛えることで腸のぜん動がスムーズに行われ、排便の際の押し出す力をアップさせることができます。
エクササイズ1
転倒の心配がなく、無理なく続けられる、椅子を使った〝足上げエクササイズ〞です。片足ずつ足を上げる→下げるを1セットとして、これを10セット行います
①足を肩幅くらいに開き、背筋を伸ばして着席します。膝を抱えて足をゆっくりと胸元に引き寄せます。そのとき、息をふーっと長く吐き出しながら、ゆっくり行いましょう
②引き上げた足をゆっくりと下へ下ろします。その際、膝の上に両手で軽く負荷をかけます。こうすることで、単純なエクササイズでも、より高い効果を得ることができます
エクササイズ2
椅子の背や台に両手をつき、自然に立ちます。上体はそのままに、片足を後方に蹴り上げます。背筋を伸ばして真後ろに上げるように。右足を上げる→左足を上げるを1セットとして、10セットからトライを
辨野義己さん
Yoshimi Benno
1948年生まれ。国立研究開発法人理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室特別招聘研究員。40年以上、腸内細菌と健康の因果関係を研究。『腸内細菌の驚愕パワーとしくみ』(C&R研究所)、『100歳まで元気な人は何を食べているか?』(三笠書房)など著書多数
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/稲垣亮弐(マロンブランド) スタイリスト/梶原寛子〈羽田さん〉 中野径恵〈食品〉 イラスト/かくたりかこ 取材・原文/向井真樹 撮影協力/UTUWA