『睡眠の質を高めるための22か条』。
今回は寝苦しい夏の夜の睡眠の質改善に役立つコツをお伝えします。
暑さが苦手な方、必見です。
睡眠の質を高めるための22か条
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夏の寝室のエアコンは
28℃に設定
暑くて寝苦しい夏は、寝るときのエアコンの設定温度が悩みどころ。
「眠気は深部体温が下がったときに訪れるので、暑いと寝つけないもの。おすすめは寝る1時間前から寝室のエアコンを25〜26℃にして冷やしておき、寝るときは28℃にする方法。こうすれば冷えすぎず、途中で暑くて起きることもないはず。涼しい敷きパッド(17参照)を使えば28〜29℃でも快適に眠れます。エアコンが苦手な人は、扇風機を天井に向けて回し、弱風で首振りにして寝室の空気全体を動かすと、涼しくて体への負担もありません」(三橋さん)
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ガーゼや麻のケットで
熱帯夜を快適に
夏は、掛け寝具も替えるとさらに快適に。
「掛け寝具のおすすめは、ガーゼのケットです。ガーゼは傷の手当てに使われるものなので、吸湿性がよく、蒸れにくいのが特徴。ガーゼケットはガーゼを何枚か重ね合わせたもので、ふんわりと軽く、適度な保温性もあるうえ、洗濯しても早く乾くのでタオルケットよりおすすめです。吸水・発散性に優れ、湿気がこもらない麻素材と組み合わせたものなど、さまざまなガーゼケットが出ているので試してみて」(三橋さん)
[右]タオル産地の愛媛今治で作られたガーゼケット。たっぷり空気を含んで柔らかな5層構造。IYASHIYA 麻混5重織ガーゼケット ¥7,000/昭和西川
[左]空気に包まれるようなふわふわの〝和さらし加工〞を施したガーゼケット。cumuco 和さらし6重織ガーゼケットシングル¥9,720/公大
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通気性のよい敷きパッドで
寝苦しさ対策
夏の寝苦しさを解消するには寝具を替えてみるのも効果的。
「夏の夜は背中が蒸れるので、通気性のいい敷きパッドに替えるだけでかなり快適に。吸水・速乾性の高い素材や、麻やい草、竹などを使った敷きパッドは特に涼しく眠れます。ただ、表面がこうした素材でも中身にポリエステル綿が詰まっていると熱がこもるので避けて」(三橋さん)
[右]吸水性に優れた素材と、体が発した熱や湿気をスムーズに放出する特殊立体構造で夏も快適。サラフ ドライパッド シングル ¥16,200/公大
[左]表地は麻100%、中綿はシート状の麻わたを100%使用。IYASHIYAウォッシャブル 麻わた敷きパッド ブルー¥20,000/昭和西川
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腰痛がある人は
マットレスを変えてみる
朝起きたとき腰が痛い人は、マットレスに問題がある可能性が。
「マットレス選びは体型ごとに目安があり、また、枕との組み合わせも考えて選ぶべき。痩せ型の人は少し柔らかめのマットレスで低めの枕が、筋肉質のがっしり体型の人は、硬めのマットレスで少しだけ高めの枕が、標準体型の人はその中間くらいのものが向いています。ぴったり合うものだと首から腰に自然なS字カーブが保てます。必ず店頭で試してみて購入を」(三橋さん)
三次元状に絡み合ったairfiberがあらゆる方向から体を支え、均等に体圧を分散。体重を押し返す力が強いので寝返りが楽。エアウィーヴ シングル ¥64,800/エアウィーヴ
凹凸構造の独立したブロックが体を点で支え、独自の4層構造で沈み込みを調節。睡眠中の血行を妨げにくい構造。&Free マットレスSA シングル ¥90,000/東京西川
柔らかな中反発素材と、プロファイル加工を施した硬めのマットレスの2層構造。寝心地のよさと沈み込み防止を同時に実現。トゥルースリーパー ウェルフィット(シングルサイズ)¥29,800/ショップジャパン
お話を伺った方々
すなおクリニック院長
内田 直さん Sunao Uchida
1956年生まれ。医学博士。精神科医。スポー ツドクター。早稲田大学スポーツ科学学術院 教授などを経て現クリニック開業。睡眠にまつわる病気やうつ病、認知症の診療にあたる
ハーバード大学医学部客員教授
根来秀行さん Hideyuki Negoro
1967年生まれ。医学博士。パリ大学医学部客 員教授。事業構想大学院大学理事・教授。専門は抗加齢医学、睡眠医学など。著書『「毛細 血管」は増やすが勝ち!』(集英社)も話題
快眠セラピスト
三橋美穂さん Miho Mihashi
寝具メーカー勤務を経て独立、睡眠のスペシ ャリストとしてメディアや多方面で活躍。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)など
撮影/天日恵美子 スタイリスト/程野祐子 取材・原文/和田美穂 撮影協力/アワビーズ