眠りに関する悩みといえば、「眠れない」だけではありません。
起きるときに気持ちよく起きれないのも大きな悩みのひとつ。
ここが改善できれば、日中の過ごし方も変わりそうですよね。
眠りの5大悩み解決テクニック
お悩み3
朝すっきり起きられない
朝起きられないのは、睡眠時間が足りていない可能性大。まずは睡眠時間を十分にとるようにしましょう。不規則な生活で体内時計が乱れていたり、体が冷えていることも寝起きが悪くなる原因。規則正しい生活でリズムを整えて。
解決テク1
朝起きたら目を閉じない
朝起きたのについ二度寝をしてしまうのは、目を閉じてしまうから。「これを改善するには、朝、目覚めたら目を閉じないようにすることです。目覚めた直後は意識がぼんやりしているので、目を開けて一点をじっと見つめましょう。すると焦点が合い、しだいに意識がはっきりしてきます。シンプルですが効果的です」(三橋さん)
解決テク2
耳を引っ張って脳を刺激
目覚めが悪いときに行いたいのが耳引っ張り。「方法は簡単で、両手で左右の耳たぶを持ち、下にぐーっと3秒引っ張り、ぱっと放します。これを4〜5回。耳には頭部に効くツボが多く、引っ張ると脳が刺激されて目覚めやすくなります。血流もよくなり心身が活動モードに切り替わります」(三橋さん)
解決テク3
目覚めのツボを押す
眠気を覚ますツボを押すのもすっきり起きるのに効果的。「目覚めをよくする3つのツボを順番に押しましょう。まずは目頭にある眠気覚ましのツボ"睛明(せいめい)"を優しく押し、続いて手の甲の"合谷(ごうこく)"を長く強めに押し、最後に頭頂部にある自律神経を整える"百会(ひゃくえ) "を押します。これでぱっちりと目が覚めるはず」(三橋さん)
睛明(せいめい)
左右の目頭の少し上にあるツボ。親指と人差し指を当て、息を吐きながら鼻の根元に向かって優しく押します。これを5回
合谷(ごうこく)
手の甲側の人差し指と親指の骨の合流点からやや人差し指側のくぼみ。ここを親指と人差し指で挟み、親指の腹で強く長めに5回押します
百会(ひゃくえ)
眉間の中央から頭頂部に向けたラインと、左右の耳の穴を結んだラインが頭上で交わる部分。ここを指先でゆっくり強めに5回押します
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解決テク4
遮光カーテンをやめてみる
目覚めが悪いのはカーテンに問題がある可能性も。「眠気をもたらすメラトニンは目に光が入ると分泌量が減って目が覚めるのですが、遮光カーテンを使っていると朝になっても光が入らず、目覚めにくくなります。遮光タイプでないものに替えるか、遮光カーテンの場合は光が入るよう端を10㎝ほど開けておきましょう」(三橋さん)
解決テク5
腹巻きやレッグウォーマーをして寝る
体が冷えていると目覚めが悪くなるので冷やさないこともポイント。「冷房のせいで特にお腹や足は夏でも冷えやすいので、おすすめは寝るときに腹巻きやレッグウォーマーをつけることです。体を締めつけるものだと血行が悪くなるので、締めつけ感のない、寝るとき用のものを選ぶのがベター」(三橋さん)
[右]軽くてふんわりと柔らかい繊維を使用した足にも手にも使えるウォーマー。ネルネ レッグ&アームウォーマー¥1,600/砂山靴下
[左]内側がシルクで肌に優しく、蒸れにくい腹巻き。ネルネ おやすみ腹巻き¥2,800/砂山靴下
お話を伺った方々
すなおクリニック院長
内田 直さん Sunao Uchida
1956年生まれ。医学博士。精神科医。スポー ツドクター。早稲田大学スポーツ科学学術院 教授などを経て現クリニック開業。睡眠にまつわる病気やうつ病、認知症の診療にあたる
ハーバード大学医学部客員教授
根来秀行さん Hideyuki Negoro
1967年生まれ。医学博士。パリ大学医学部客 員教授。事業構想大学院大学理事・教授。専門は抗加齢医学、睡眠医学など。著書『「毛細 血管」は増やすが勝ち!』(集英社)も話題
快眠セラピスト
三橋美穂さん Miho Mihashi
寝具メーカー勤務を経て独立、睡眠のスペシ ャリストとしてメディアや多方面で活躍。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)など
撮影/天日恵美子 イラスト/しおたまこ 取材・原文/和田美穂