台湾の山々の中でも最高峰である玉山の起点となる東埔温泉。
「聖なる玉山の水」として大切にしてこられた山の温泉です。
<南投縣>
東埔溫泉(ドンプーウェンチュエン)
台湾には標高3000m級の山が200もあるのですが、その最高峰が玉山。霊山として信仰されてきた玉山は、日本の富士山のようにご来光を目指す登山が人気。その起点として栄えたのが東埔温泉です。
玉山山麓の山々に囲まれた高地の温泉リゾートは、春は桜、夏は滝、秋は楓、冬は梅と、どの季節も素敵。
高山民族・ブヌン族が大切に守ってきた聖なる山の温泉が、今もこんこんと自然湧出しています。
東埔帝綸溫泉(ドンプーディールンウェンチュエン)
渡假大飯店(ドゥジアダーファンディエン)
霊峰・玉山へ続く八通古道の起点、
標高1,120mに台湾最高所の温泉
data
南投県信義郷東埔村開高衖86号
TEL +886 4 9270 2789
1泊2食1名料金
平日1,600TWD~ 休日2,100TWD~
http://www.tilun.com.tw/jp/
玉山の聖なる水で
肌も体も輝いていく
台湾は多民族社会でもあります。現在も16の民族がそれぞれの文化や伝統を継承しています。台湾最高所の温泉地・東埔温泉のエリアに古くから暮らしているのはブヌン族。山から自然湧出する温泉を、聖なる玉山の水として大切にしてきました。東埔には水道はなくコーヒーやお茶を飲むのも、鍋料理も濾過した温泉水。つまりここで過ごすことで体の内側からも温泉の恩恵をいただくことができます。泉質は弱アルカリ性の炭酸水素塩泉、温泉付きの部屋では蛇口をひねれば温泉が出て、新鮮な温泉のやわらかな感触をより楽しむことができます。宿の前には昔ながらの温泉街があって、地元の人がフレンドリーに迎えてくれます。山のほうへと登っていくと滝があり、その奥に源泉があるのは神秘的。
洞窟風の内湯はドイツ式のスパスタイル。水着の日と男女別に裸で入浴できる日があります。絶景の中で入れる露天風呂もダイナミック。温度の異なる温泉や冷泉があって水着で楽しみます(春夏のみ営業)。
新設されたVIP貸し切り風呂はスタイリッシュな雰囲気。日本の温泉と同じように深くて熱いお風呂に裸で入れるのがうれしい。
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台湾のトマトはとても甘く、デザートとして出されます。台湾の餅菓子やグアバと一緒に。
夕食の鍋は濾過した温泉水を使用。肉、きのこ、野菜など寄せ鍋風にいろいろな具材のだしが出てスープもおいしい。
竹筒で蒸したおこわ。干し海老や栗など具だくさん。
いろいろなタイプの部屋があり、大きめの温泉がある部屋も。スイッチひとつでジャグジーに。雲がたなびく山々の絶景が一望。
天蓋付きのロマンチックな部屋や和室とローベッドの部屋も。
撮影/三谷 浩 取材・原文/石井宏子(温泉ビューティ研究家) Coordination/Spa Lady Windy
1TWD=3.8円(2017年10月現在)