50代の “あるある”
「ちょっとつまずく」「疲れがとれない」「冷えがつらい」
それ、実は「筋肉痩せ」が原因です!
某出版社で働く50代編集者たちの「最近なんだかおかしい事件簿」。
第3回目はバブル期を謳歌したルリルリさんのケースをご紹介します。大好きなパーティでイタ~い事件が起こりました。
ルリルリ(52歳)
バブル世代ど真ん中で、今はパーティ大好き“パリピ(パーティピープル)”編集者。夫は海外赴任中。若い頃からのミニスカ&ハイヒールのスタイルは変えられない!
今まで格好よく履きこなしていたハイヒール、最近、たまに足がぐらつくことが!?
パーティ会場で颯爽と歩いていたつもりなのに、人にぶつかり転倒! なんと、右腕を骨折!
夫は海外赴任中。朝、片手でファスナーが上げられない! 大事な取材に遅刻という事態に!
私がハイヒールで転倒するなんてありえない! 30年も履き続けているのに。ハイヒールが履けなくなるなんて、絶対に耐えられないわ。
再春館製薬所 長白仙参担当研究員(薬剤師)
中居寛(なかい・ゆたか)さん
長白仙参の開発・研究や、お客様の体の悩みを緩和する養生品の開発に携わる。祖父母と一緒に住んでいた経験から、世代を問わずさまざまな方と話すことが楽しく刺激につながっている。お客様の声に耳を傾け、多くの方に喜んでいただける製品やサービスのあり方を追求。
中居
ルリルリさん、こんにちは。50代になって、今までと何ら変わらないつもりなのに、ハイヒールが苦になってきたとか、履けなくなったという方、結構多いんですよ。原因は、筋肉量の低下が考えられます。ハイヒールを履き続けたい、とふくらはぎや太ももの筋肉を鍛える方も多くいらっしゃいます。
もちろん、ふくらはぎや太ももを鍛えることも大切なのですが、実は足の裏がポイントなのです。とくに足の指と足裏の筋肉が弱くなってしまって、土踏まずのアーチが保てなくなると、ハイヒールを履いた時にうまく体重が支えられなくなってしまうことがあるのです。また、足だけでなく腰回りの筋力が弱ることで、下半身が不安定になり、全身のバランスが取れなくなってしまいます。
ルリルリ
中居さん、そうだったんですね。実は最近、うっかり階段でつまずきそうになったことがあって、私としたことが……と思ってたんです。
中居
足を持ちあげる筋肉は腹筋や腸腰筋で、ここが弱ってしまうと自分が思っているよりも足が上がっていなくて、それでつまずくというケースがよくあります。筋肉は下半身から落ちやすいと言われているんですよ。でも大丈夫です。筋肉は年齢に関係なく増やすことができます。
ルリルリ
よかった~。少なくともあと20年はハイヒールを履きたいので、筋肉増やしたいです! どうすればいいですか?
中居
筋肉を増やすには、「筋肉の材料」と「運動」の2つが必要です。筋肉の材料とはアミノ酸。なかでも9種類の必須アミノ酸が「筋肉の材料」になります。これらは体内で生成することができないため、食事から摂取するしか方法がありません。筋肉は50代から加速度的に低下していくので、今のうちに増やしておくことが重要なんですよ。
ルリルリ
「筋肉の材料」と「運動」ですね、すぐに取り入れます。
中居
運動は、特別に何かを始めなくても構いません。筋肉の材料を摂っておくと、日常生活の中で、たとえば意識して階段を使うとか、掃除をする際に、体を大きく動かして行うとか。少し運動量を増やすだけでも筋肉に負荷がかかり、筋力アップが期待できますから頑張ってくださいね。ハイヒールをはき続けるためには、つま先立ちや、かかと立ち、また足を伸ばして座り、足指でグー・チョキ・パーを作る「足指ジャンケン」などがいいかもしれません。
ルリルリ
わかりました。夜中に一人で足指ジャンケンすることから始めてみます……。
この前、パーティ会場で転んだのもついうっかりだと思っていましたが、なんと筋肉が減っていたからなんですね! 足の指と足裏の筋肉量なんて、意識したことありませんでした。足も上がりにくくなっているということは、腹筋や腰回りの筋肉が減っているんですね。でも、今からでも筋肉を増やせるというのは朗報! 加齢であきらめなければならないこともあるけど、筋肉はこの先もずっと増やせるなんて。筋肉の材料、摂らなくては!
イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/島田ゆかり