羽田美智子
“自分磨き”のための大人の手習い Vol.7
注目のエクササイズ「フェルデンクライス」で
心と体をもっと解放しよう!
知らず知らずのうちについた、体の動かし方や生活習慣、考え方などの"クセ"。長年しみついたクセや習慣にとらわれず、もっと自由になれたら…!
"脳の学習する力"を利用して、体を動かしながら楽に動く方法を脳に気づかせる「フェルデンクライス」の極意をかさみ康子さんに教えていただきました。
かさみ康子さん
Yasuko Kasami
「フェルデンクライス」のレッスンを
羽田さんが初体験!
"今までにしたことのない動き"を試すことで脳に"こういう動き方もある"と学習させ、動きを変えていく、という考え方に興味津々の羽田さん。
初体験の結果はいかに?
1 現在の体の不調や気持ちを素直に伝える
羽田さんが日々気になっているのが頭の疲れ、冷え、首、肩、背中の動かしづらい感じ。病院に行っても病気ではないと言われ、ほかに改善する方法はないかと思い、フェルデンクライスに興味を持ったそう。プラクティショナーのかさみさんが、話を聞きながら羽田さんを観察します。
2 頭を緩やかに動かして、体とのつながりをチェック
観察して感じたことを、今度は触れて体感していきます。両手で頭を持ち、まず頭を前後左右に。その後、骨盤も前後左右に傾けると、背骨のどこの動きが止まっているかがわかるといいます。
3 脚を骨盤の幅に広げて、自分の体に注意を向ける
座って、かさみさんが自分の膝にあてた手を押すようにして、膝を前に出します。かさみさんの手からフィードバックを受けることで、自分の骨盤の動きを感じ、背骨や肩にもつながっていることに気づきます。これを左右片脚ずつ行い、比較します。そのときの自分の動きを観察して「左が少し出しづらく、力が入りにくいです」と羽田さん。
その後、この動作を繰り返すうちに左側が楽になり、左脚が出しやすく。自分が何をしているかを意識し、触れている感覚や呼吸に注意を払ったことで、自分の骨格がはっきりと感じられるようになりました。無駄に使っていた力を抜くことで楽に動けるようになるというフェルデンクライス特有のプロセスです。
4 胸、肩、骨盤全体を使って動くことで動作が楽に
次に、後ろを振り向く動きをしてみると、「羽田さんは首ばかり使っていますね。もっと胸を使いましょう。ここを柔らかくすることで、動きがもっと楽になるんですよ」とかさみさん。
その後、右側のお尻を持ち上げて左側に体重を乗せ、戻ってまた反対側も同じように行う動きを、何度か繰り返します。その後、再度後ろを振り向くと、前よりも首が回って後ろが見えるようになったそう。
「脳が、 肩や胸骨、骨盤も一緒に動かせば楽だということを学習したからなんですよ」(かさみさん)。これには羽田さんもびっくり。
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5 頭と目を切り離す動きをして、脳に学習させる
後ろを振り向く動作を楽にするもうひとつのコツは、頭と目をそれぞれ逆の方向に動かしてみること。頭を右に向くように動かしながら、目は逆の左側を見ます。
次に頭を左に向くように動かしながら、目は右側を見ます。これをゆっくり繰り返します。頭と目を同方向に動かすという習慣的な動きとは違う動きをすることで、違う動きが与えるよい点を脳に学習させているのです。
6 全身をチェック
仰向けになり体のどの部分がマットに触れているか、離れているかをチェックし、体のどこに力がかかっているかを再確認します。腰が少し浮いている場合、膝の後ろにソフトローラーを入れて楽な姿勢に。
「胸が柔らかくなると、腕も動きやすくなります。余計な力を抜いて」(かさみさん)
7 終了!
体の動きに注意を向けることで、自分が普段どのように体を緊張させているかがわかったという羽田さん。
「体が緩んだおかげで、ものすごい睡魔(笑)」。「今日の動きはとてもシンプル。少しずつ取り入れて新しい動きのイメージを作ってほしいですね」(かさみさん)
●レッスンを終えて●
「今回、自分を客観的に見ることで、私自身の考え方や動き方のクセがわかったように思います。免震構造を備えたビルは揺れを建物の下に仕込んだゴムが吸収するといいますが、人も同じ。ストレスがかかったときに、このゴムに匹敵するのが“弾性”。フェルデンクライスは、このしなやかさを取り戻すのにぴったりですね。自分の体の動きを"意識する"ことの大切さを改めて感じました」
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/永塚克美(HEADS)〈羽田さん〉 木下 優(ロッセット)〈かさみさん〉 スタイリスト/梶原寛子〈羽田さん〉 構成・原文/向井真樹