カギは最初の90分! 最新メソッドで眠りが変わる
深睡眠(しんすいみん)を手に入れて目覚めすっきり!
睡眠負債という言葉がブームだけれど、実際のところ、どんな睡眠が理想なの? 朝までぐっすり眠るにはどうすればいい? 睡眠についての新常識を徹底取材して、誰もができる睡眠メソッドをこのシリーズで大公開。ライターKの体当たりルポもご参考に!
お話を伺ったのは
千葉伸太郎さん
Shintaro Chiba
医学博士。太田総合病院記念研究所附属診療所太田睡眠科学センター所長。日本睡眠学会睡眠医療認定医。慈恵会医科大学やスタンフォード大学で最新の睡眠科学について研究を重ねている
朝すっきり目覚めるためには入眠後90分の"深睡眠"がカギ!
睡眠不足が健康によくないことは周知の事実。けれど、加齢とともに寝つきはイマイチ、途中で目覚めることも。
「睡眠は意外とエネルギーを使うもの。高齢になると入眠する力、睡眠をキープする力が衰えてくるので、睡眠に悩む人が増えるようです。よい睡眠を得るには、入眠してすぐの90分(120分くらいまで個人差あり)にいかに深くぐっすり眠るかがカギです」(千葉伸太郎先生)
この“深睡眠 (しんすいみん)”がうまくとれれば、その後の睡眠リズムが整い、すっきりと目覚めることができます。また、この間に成長ホルモンが分泌されるので、アンチエイジングの面でも見逃せません。
「深睡眠を得るのに重要なのが、入眠への準備と、睡眠中の環境を整えること。 脳の体温(深部体温)が下がるときに眠気がくるので、入浴などでいったん深部体温を上げておくことが大切です。そして快適な寝具を用意し、睡眠を邪魔する要因を取り除く必要があります」
就寝までのプロセスの見直しや体型に合った枕選び、いびきや歯ぎしりといった不快な症状の改善などがポイントになります。何をどんな方法で調整していくかは人それぞれだけれど、ひとつの方法を試したら10日間は続けたい。
「心身の状態は日々違うので、たったひと晩試しただけでは効果を判断できません。また、睡眠時間を延ばすなら、朝起きる時間を決めて寝る時間を早めます。焦らずにベストな睡眠を探しましょう」
撮影/藤澤由加 〈物〉 小山志麻〈千葉先生〉 イラスト/sino 取材・原文/小林みどり