これも冷え? あれも冷え!?
こんなことも冷えの症状です
冷房過剰な現代では冬より夏のほうが冷えは深刻です。35年のキャリアを持つ鍼灸師で、冷えとり名人の田中美津さんが、"明るく養生、元気に不摂生"をモットーに、体も心もラクになる"好い加減"な夏冷え養生法を伝授。
今回は、こんな症状も冷えの症状だという10の症状を具体的にご紹介します。
01
疲れると異様に甘いものや脂っこいものが欲しくなる
甘いものや脂っこいものには依存性があり、疲れているときほど欲しくなるもの。それは不安や寂しさ、怒りを過食によって紛らす代償行為でもあります。ストレスで自律神経が乱れ、体が冷えているところにそれらを過食すると、ますます冷えが進みます。
02
雨の日は体がだるく、不調が起きやすい
低気圧に弱く、曇りや雨の日に体がだる くなるのは、体液が余って体を冷やしている"水毒"に陥っている状態です。
03
食事のあと、だるくなる
"脾胃:ひ い (消化吸収機能)"が弱っている証拠です。
夏だからといって体を冷やすような生活をしていると、夏バテしやすく、冬は人一倍冷える体に。
04
舌の中央に白い苔がついている
舌の中央は脾胃の状態が現れます。ここに白っぽい苔がついている人は、体液が過剰で血液が薄くなっている状態で、消化器系が冷えて弱っています。
05
頰に赤みがあり、ほてりやのぼせを感じる
頰の赤みは一見元気そうですが冷えのぼせの典型。陰極まって陽になり、冷えが進んだ状態。血液の巡りが滞っている"瘀血(おけつ)"の人に多く、上半身はのぼせて下 半身は冷えているので、足が冷えて困っているはず。
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06
花粉症などアレルギーがある
アレルギーは水毒がベースになって起こる病気。余った水が体を冷やし、肺や胃腸、腎臓などを弱らせます。 そこに夜更かしやイライラから生じる熱が加わると、冷え(陰)と体の熱(陽)が混在する"湿熱"の状態になり、アレルギーの引き金に。
07
排尿は一日4回以下、もしくは8回以上
冷えは尿の状態によく現れます。一日5〜7回程度が適当で、8回以上の頻尿、4回以下の稀尿(きにょう)は要注意です。 冷え症による頻尿は色の薄い尿がジャボジャ ボ出て、稀尿は黄色が 濃くなります。
08
排便の回数が多く、軟便である。もしくは 便秘
軟便でよく下痢をする人は、もともと胃腸が弱いうえに体が冷えやすいタイプ。よく便秘をする人はタフですが、毒がたまりやすく、冷えていることに気づきにくいタイプです。
09
オナラがあまり出ない。出るときはくさい
くさいオナラは腸内環境が劣悪である証。腸が冷えて便秘がちで、毒がたまっているのです。くさくてもオナラで毒を出せるほうがましで、あまりに腸の機能が落ちているとオナラも出ません。
10
なにかと思い悩み、イライラ・クヨクヨしがち
イライラ・クヨクヨしている人ほど、生命力である"腎"が弱くなり、冷えにやられます。
次回は、冷え対策のなかから、気持ちいい夏の重ね着についてご紹介します。
イラスト/しおたまこ 構成・原文/石丸久美子