体のゆがみを正す「橋本操体法」
35年のキャリアを持つ鍼灸師で、冷えとり名人の田中美津さんが、"明るく養生、元気に不摂生"をモットーに、体も心もラクになる"好い加減"な冷え養生法を伝授します。
今回は、体の歪みを正し、バランスのいい体に戻していく「橋本操体法」をご紹介します。
体を緩ませ心を鎮める
「橋本操体法」
橋本操体法は体をラクなほうに動かすことで歪みを正し、バランスのいい体に戻していく運動。ゆっくりした動きと、ストンと力を抜くと同時に息も一気に吐くのがコツ。
「症状というものは、前後左右上下対角線のどこかが歪んでいることから起こります。体はまず痛みとして異常を出すことが多いので、コリや痛みを感じたら即、橋本操体法よ。
その時点で対応すれば、さらにひどくしないですむの。呼吸を整え、体を緩ませ心を鎮める操体は、いわば動く瞑想。簡単な動きで異常を初期に取り抑える橋本操体。あなたの健康を支える一生の杖になりますよ」
歪みを正して、体を緩ませ心を鎮める
《橋本操体法》
まずはラクなほうを探します。左肩をゆっくり上げて下ろしたら、
右肩も同じようにしてどちらが上げやすいか確かめます。
少しずつ息を漏らしながら、上げやすいほうの肩だけ再度上げていきます。
上げていくときは、ゆっくりしずしずと行うのが大事。
⇩
息を漏らしきる手前で動きを 止めます。
肩の上に置かれた 他人の手の重さに逆らってい る感じで動きを止め、
同時に 息を止めて5つ数えます。
⇩
5つ数えたらストンと脱力。 同時に息も一気に吐きます。
1〜3を4〜5回繰り返しま す。回を重ねるごとに、肩が 高く上がるようになり、肩コ リ、重圧感が消えます。
仰向けに寝て両膝を立て、腕 を頭の後ろで組みます。左右 交互にゆっくり倒してみて、倒しやすいほうへ、息を漏ら しながらゆっくりと、両膝を 倒していきます。
床面近くま で倒したところで息も動きも 止め、5つ数えてからストン と脱力。4〜5回繰り返しま す。腰や背中の痛みに効果的。
仰向けに寝て、かかとを押し出すようにしながら、脚を1本 ずつ伸ばしてみて、伸ばしやすいほうを、息を漏らしながら ゆっくり伸ばします。
伸ばしきったところで息も動きも止め、 5つ数えてからストンと脱力。4〜5回繰り返すと脚の長さ がそろっているはず。背中のコリもほぐれます。
次回は、体の冷えをイメージトレーニングで脱却する方法についてご紹介します。
イラスト/しおたまこ 構成・原文/石丸久美子