今まで遠近両用コンタクトですんでいましたが、いよいよ「大人メガネ」が必要かも、と思う今日この頃。大人メガネって何?という方、老眼鏡のことです。でも、何となく老眼鏡とかシニアグラスではなく、リーディンググラスとか大人メガネとか、もっと別の名前で呼びたいですよね。
さて、今回の取材で、大人メガネのレンズの違いを知りました。私が困っているのは、名刺やリリースの電話番号が見にくくなったこと。必要なのは、「近用短焦点レンズ」か、デスクトップパソコンと手元に合わせる「近近両用レンズ」ということが判明。これで、メガネ屋さんですぐに相談できます!
今さら聞けない、でも知りたい!
“大人メガネ”についての素朴な疑問って、意外にありますよね?
ホントかウソかわからない説も確認したいし…。
そこで、豊富なメガネの品揃えで大評判のセレクトショップ店長さんにお話をうかがいました。
ここでこっそり覚えて、逆にみんなに教えてあげましょう!
お話を聞いたリュネット・ジュラ グラン店長小山 哲さん
大人メガネQ&A
Q1 百均や雑貨屋などの安いメガネでもいい?
A 既成のメガネに入っているレンズは左右の度数が同じで乱視矯正もされていないもの。視力に左右差があったり乱視のある人は、レンズをオーダーしたほうが快適。片目を隠して見てみると左右差は自分でも判断できます。
Q2 拡大鏡と老眼鏡はどう違うの?
A 拡大鏡(=ルーペ)は、小さいものを拡大して見せるもの。老眼鏡は目の焦点を合わせてはっきり見せる役目なので、拡大はされません。老眼鏡が必要な人が拡大鏡を使っただけでは、ぼやけている像を拡大しているだけなのです。
Q3 「リーディンググラス」って何?
A まさに「老眼鏡」のこと。細かい文字を〝読む〞ためのメガネという意味でそう呼んでいます。「シニアグラス」と呼ばれるのも同じく「老眼鏡」の意味。「手元用メガネ」「手元メガネ」などと呼ぶのもいいですね。
Q4 老眼鏡をかけると老眼が進むの?
A 自分の視力に合ったものなら老眼が早く進むことはありません。目に合わないものをかけていると目が疲れたり肩がこったりして進むこともあるようです。また度数が強いと、見えすぎて目を疲れさせるともいわれます。
Q5 老眼鏡のレンズの度数は強いものほどよく見えるの?
A 既成の老眼鏡のレンズでも+4.0くらいまでありますが、それ以上強いものが、さらにはっきり見えるわけではありません。人によって、その度数でクリアに見える距離が変わるのです。
Q6 手元だけでなく、デスクトップパソコンの画面もよく見えるようにするには?
A パソコン用(近近両用)レンズがおすすめ。レンズにはさまざまな種類があり、屋内も歩ける遠近両用、部屋の中を見渡せる中近両用、手元とパソコンが両方見える近近両用などがあります。特徴をよく知って選んでください。
Q7 アシストレンズって何?
A 「ちょっとだけ手元が見えにくい」という人のための、かなり弱い度数の老眼用レンズのこと。度数は+0.5~0.75程度。30代後半~40代前半くらいの人向けのため、老眼用とは言わず、アシストレンズと言われます。
Q8 遠近両用レンズに向くフレーム、向かないフレームってあるの?
A 最近のレンズでは向き不向きはあまりありません。レンズの縦が最低2.5㎝あればOK。大きいサングラスのようなフレームは目と目の距離に合わせると、度の入ったレンズが入らないこともあるので確認をしてください。
Q9 遠近両用はなかなか慣れない、怖いっていうけれど?
A 遠近両用や中近両用レンズは、レンズの下側で手元を、上部で遠くを見るようにできています。その位置に慣れる期間は1~2週間。その間、階段を降りるときなど怖いと思うこともありますが、徐々に慣れてきます。
Q10 安いレンズと高額なレンズの一番の違いは?
A 見え方の違いと言っていいと思います。高額なものはレンズがとても薄く、視界が広いうえに歪みも少なく、クリアに見えます。8万~10万円のレンズを一度使ってしまうと、リーズナブルなレンズに戻れない可能性もあります。
Q11 どのくらいで買い換えるのが普通?
A 多くのお客さまは、初めて老眼レンズをオーダーしたときから、1年半~2年くらいで買い換えています。毎日使えばフレームにも飽きてくるものですが、フレームをそのまま使いたい場合はレンズだけ入れ替えてもOKです。
●〝大人メガネ〞に使われるおもなレンズ
【遠近両用累進レンズ】
近くから遠くの景色まで快適に見える、かけっぱなしできるレンズ。手元~中間の視野はやや狭め。多少歪みを感じるレンズもある。
【中近両用室内用レンズ】
手元から2~3m先まで見えるので、室内もそのまま歩け、作業は何でもできるレンズ。ただし、車の運転には使用できない。
【近近両用ワイドレンズ】
手元に加えて、デスクトップパソコンでの作業に最適。まさにデスクワーク用。室内を見渡したり、遠くを見ることはできない。
【近用単焦点レンズ】
ベーシックな老眼鏡で、いわゆる「手元用メガネ」のこと。読書や手元の作業、ノートパソコンを見るのは快適。遠くは見えない。
【遠近両用二重焦点レンズ】
今はあまり使われなくなったタイプ。近くも遠くもはっきり見え、歪みも少ない。ただし、レンズに境目があり、中間が見にくい。
■Q&Aに協力いただいたメガネショップ
まるでメガネのデパートのように楽しいお店
「リュネット・ジュラ グラン」
SHOP DATA
1階から3階までバリエーション豊かなメガネが所狭しと並ぶ、楽しいセレクトショップ。海外の小さなアトリエで作られた、日本で知られていないようなブランドも。都内と横須賀に5店舗を展開。
東京都港区南青山2-12-1
☎03-3401-4446 営業時間 10:30~20:00 ㊡水曜
撮影/板野賢治 構成・原文/蓮見則子